【BOOK】「はじめての韓国仏教―歴史と現在―」佐藤厚著

日付: 2019年11月20日 00時00分

 韓国を理解するためのアプローチとして、仏教を用いる試みだ。まずは日本人が知らない韓国仏教の特徴として、檀家制度がない、家庭に仏壇がないなど13項目が紹介される。日本人が寺に参るのは先祖の供養や葬儀などがメインだが、韓国では祈祷のためだという。受験生を持つ親のために行われる大学入試百日祈祷の様子は興味深い。このような願掛けは日本では神社が主流だろう。
古代史が好きな方にも一読をお勧めする。たとえば『三国遺事』は僧侶・一然が編纂した私撰の歴史書で、『三国史記』から漏れた仏教関係の記録を集めることが目的。檀君神話に仏教的世界観を伺うことができるとする。古代から近現代史までを仏教の視点で見ると、また違う世界が見えてくる。
本書は、単に仏教の解説書にとどまらない。韓国仏教への入り口として、テンプルステイ、精進料理、仏教グッズ、僧侶著作のベストセラー、映画なども紹介している。韓国観光の一つに仏教を取り入れてもおもしろい。
佼成出版社刊
2000円(税別)


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