【ワンシチュエーション映画】斬新な設定・巧みな会話劇

俳優陣の演技力を堪能
日付: 2019年11月07日 00時00分

 ほぼ一つの状況下で物語が展開していく構成の作品をワンシチュエーション映画という。脚本の出来栄え、俳優の演技力が問われるものでもある。『完璧な他人』はそのジャンルにおいて、秀逸な作品だ。2人の専門家が解説する。

 

前田 ラストはいろいろな解釈ができる映画で、それが見る側に委ねられている。もう一回見たいと思わせる映画ですね。台詞回しも絶妙でした。仲のいい40年来の友人たちが会話していて、誰かしらが毒を投げる、その場の空気がちょっと冷え込むと、周りが勢い込んでフォローする、その繰り返しが「あ、こういうことってあるよね」と自然に共感できましたね。
児玉 随所にちりばめられたコメディの要素と、後からくる恐怖感が混在している映画でした。
前田 イタリア映画『大人の事情』が原作ですが、どこが違うかを注目してみると、製作者の意図がわかって興味深いです。大きくはセレブ夫妻の夫の設定が違いましたね。それによって微妙に全体が「何となく」
変わってくるんですよ。
児玉 すでに中国、フランス、スペインでリメイクされていると聞きました。見比べてみたいですね。
前田 ワンシチュエーションは、脚本と会話のセンスです。言葉の選び方で面白さが全然変わってしまう。映画作りの力が問われるところです。この映画はほぼ忠実にリメイクしているけれども、何カ所かだけ違う。ここに韓国映画人の意地が入っていると思いました。

写真下段=映画批評家の前田有一さん(左)と韓国ライターの児玉愛子さん

写真上段=監督:イ・ジェギュ
出演:ユ・ヘジン、ヨム・ジョンア、チョ・ジヌン、キム・ジス、イ・ソジン、ソン・ハユン、ユン・ギョンホ 
11月15日(金)よりシネマート新宿・シネマート心斎橋ほか全国順次公開©2018LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved


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