GDP1%台成長が現実的に

長期不況に突入の懸念も
日付: 2019年11月07日 00時00分

 文在寅政権は「経済は正しい方向に向かっている」として所得主導型経済政策の正当性を強調してきたが、各機関の経済動向予測などを見ると、いかに韓国経済が危機的な状況にあるかが読み取れる。年初、2・5%と予測してきた経済成長率が1%台に落ち込むことがほぼ確実になった。

  韓国銀行(中央銀行)は10月24日、第3四半期の国内総生産(GDP)速報値を発表した。
それによると、前期比で0・4%増と、市場予想の0・5%を下回った。
これにより、今年の成長率は2%台を切る可能性が高くなった。成長率が2%を超えるには、第4四半期の成長率が前期比0・97%以上でなければならないが、停滞する経済状況を直視すると、容易でないという見方が大勢だ。
輸出に依存する韓国経済は、米中貿易戦争の影響により大きな打撃を受けてきた。悪化した韓日関係も、マイナスに働いた。
第3四半期の速報値は数字だけではなく内容も悪い。民間消費はわずか0・1%の成長にとどまり、設備投資も0・5%、建設投資は5・2%も減少した。長年課題とされてきた内需の冷え込みが著しい。
一方、輸出は4・1%増で、2・0%増加した前期に続き、2四半期連続のプラスとなった。
政府はこれまで景気対策として、50億ドル相当の追加刺激策を打ち出し、過去3カ月で2回の利下げを実施した。しかし、これらの効果も限定的だった。
洪楠基経済副首相兼企画財政部長官は、国会企画財政委員会の総合国政監査で「第4四半期に政府のすべての手段と予算を動員し、経済成長率を引き上げるために最善を尽くしたい」と述べているが、今年9月末までに本予算と補正予算を合わせた全体予算の約78・5%を使った(企画財政部)としており、効果のある追加景気対策を行う財政余力があるか疑問視されている。
文在寅政権は2・5%のGDP成長率を今年の目標として定めていた。しかし、最近になって2・0~2・1%に引き下げた。
すでに国内外の主要研究機関と投資銀行(IB)は、1%台の成長率を予測している。韓国経済研究院は今年6月に2・2%と予想したが、9月に入って1・9%に引き下げた。LG経済研究院は年間1・8%と予測。今回の発表を受けイーベスト投資証券は「今年の成長率は最大でも1・7%か1・8%にとどまる見込み」とさらに下方修正している。
韓国のGDP成長率が2%を割ったのは1954年以降、4回しかない。1956年(0・7%)、80年(マイナス1・7%)、98年(マイナス5・5%)、2009年(0・8%)と、石油危機、通貨・金融危機を迎えた年だ。今回は外的要因がないだけに深刻だ。
景気の低迷に対して、基準金利の追加引き下げの要求が大きくなると見られており、専門家は来年上半期には現在の基準金利1・25%からさらに引き下げられ、0%台の時代が到来すると見ている。
しかし、景気の低迷↓金利の引き下げ↓さらなる消費の抑制といったデフレスパイラルを懸念する声も多く、日本も陥った長期経済停滞時代に突入するのではとの不安が広がっている。
一方、KEBハナ銀行ハナ金融経営研究所は10月30日に発刊した「2020年経済・金融及び金融産業、一般産業の展望報告書」のなかで、「20年の成長率は1・9%」と予測したうえで、「政府部門に依存する経済成長が来年も続く。政府消費と政府投資のGDP成長率寄与率が2年連続で50%を超えるだろう」とし、民間部門の不振を政府投資で相殺する支援付きの成長に対して警鐘を鳴らした。


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