輸出額 10カ月連続の減少

貿易収支黒字は今年最大も長期型不況懸念
日付: 2019年10月09日 00時00分

 輸出市場の不振がとまらない。米中貿易戦争や輸出管理を巡る日本との対立も影響し、9月の輸出額が前年同月比22%減少した。これまで、輸出を武器に成長してきた韓国経済の今後を懸念する声が高まってきているが、現政権は貿易収支の黒字を理由に「経済は正しい方向に向かっている」と楽観的な見方を示している。

  産業通常資源部は1日、9月の輸出入動向を発表した。
それによると、9月の輸出額は447億1000万ドルで、昨年同月比で11・7%の減少となった。これにより10カ月連続で輸出額は前年同月比でマイナスとなった。また6月以降は連続して二けたの減少率を記録しており、輸出の不振が顕著になってきている。
月別の輸出は、輸出の減少は去年12月から始まったが、減少幅が大きくなってきている。
品目別では半導体が31・5%、石油化学は17・6%、石油製品が18・8%それぞれ減と、これまで韓国経済をけん引してきた主力産業の不振が際立った。
一方、自動車は4・0%、自動車部品が2・1%、船舶は30・9%、無線通信器機1・1%など一部製造業の輸出は増加した。
国別では中国へ21・8%、アメリカが2・2% 減少した。政治的な対立が深刻になっている日本への輸出減少率はマイナス5・9%だった。中国は韓国の総輸出額の4分の1以上を占めているため、中国への輸出減少が大きく響いた。
ロシアなど新北方国家(CIS)への輸出は41・3%、EUへは10・6%、中南米向けが10・8%とプラスに転じた。
文政権は、中国と米国など主力市場への輸出の割合を減らし、新北方(ロシアやモンゴル、ウクライナ、ウズベキスタン、カザフスタンなど)や南方地域(ASEAN諸国やインドなど)への輸出を増やす方向で「輸出市場構造革新案」を発表。今回、ある程度の成果が現れたものだと見られる。
輸入に目を向けると、9月の前年同月比輸入額は5・6%減の387億4000万ドル。
輸出が減少した一方、輸入も大きくマイナスになったことで、59億7000万ドルと今年最高の黒字額を記録した。これで、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は92カ月連続の黒字となった。
文政権は、この結果に対し「1日の平均輸出額と貿易黒字が今年最高を記録し、輸出活力の回復に対する期待を高めた貿易収支黒字が、今年最高の59億7000万ドルを記録した」と自画自賛した。
しかし、マーケット関係者らの見方は、おおむね否定的だ。米中貿易戦争を要因とする世界経済の混乱は深刻化しており、韓国の輸出は今後さらに減少傾向となる可能性は高い。もし米国の景気後退懸念が高まり、中国経済がさらに悪化した場合、韓国経済がかなり深刻な状況に陥る危険性が高い。今回の貿易黒字は、輸出入がいずれも減少していることで生じた”不況型貿易黒字”で逆に今後の経済のさらなる停滞を示しており、長期型不況にすでに突入したのではとの見方もある。
昨年の輸出地域が占める割合は、米国や中国、日本、欧州連合(EU)が53%で、全体輸出の半分を上回った。米中貿易戦争、韓日対立が韓国経済に及ぼす影響は大きく、それだけ経済状況は厳しい。最悪の環境の中、経済成長のために、何を行うべきかを考えないと手遅れになる、という声もあがる。


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