破綻の危機にひんする「1965年韓日国交正常化」

双方の主張の隔たり埋まらず
日付: 2019年07月24日 00時00分

国際法違反巡り応酬 長期化の懸念も

韓国と日本が国交樹立へ締結した1965年韓日協定は、今日の両国関係の基本的枠組みとして機能してきた。それから54年目を迎えた今年、政府筋にはそれを否定するような動きがみられる。一方、韓国では徴用工問題の解決策として、既存の韓日企業の拠出金に対し韓国政府が別途捻出する「韓国企業+日本企業+韓国政府方式」が代案として言われるが2007年、特別法で処理したため名分がないという指摘もある。(ソウル=李民晧)

 徴用工問題の新解決法、韓日企業+韓国政府

今回の問題は昨年10月、最高裁判所(大法院)が三菱重工に対し「徴用工被害者に賠償せよ」との判決を下したことが直接的な発端だというのが韓国側の考えだ。日本側のスタンスは、韓国への輸出品目規制及び韓国の輸出優待国除外問題と本件は関係ないというものだ。日本国内ではしかし、表面的には経済安保問題であるものの、過去史と連動した措置だと指摘されている。
韓国は、最高裁判所の判決は個人の被害者に対する「賠償問題」であり正当な主権行為であるとしている。半面、日本は1965年の請求権協定で本件の賠償問題が解決しているため、韓国の措置は「国際法違反」であると考えている。
問題は、判決後に韓国政府が7カ月も延々と問題を放置していたという点だ。日本は判決問題について両者協議、仲裁委員会の構成などを求めたが、韓国政府は司法の判断を尊重するという三権分立の原則に固守し、代案措置を提示しなかった。政府は大阪G20サミット直前、日本に対し「韓国と日本企業が自発的に拠出金を出し、徴用工への賠償問題を解決しよう」と提案したが、日本としては受け入れられない提案だった。
最近は韓日企業の拠出金に加え、韓国政府が別途で徴用工に賠償するという「1+1+α(韓国企業+日本企業+韓国政府)方式」が代案として浮上している。対話ルートが遮断された状態であるため、現在は両国間で議論すら出来ないのが実情だ。この方式が実現するとしたら、日本は韓国のドラフトに妥協することになり、韓国政府は基本スタンスを見直す必要がある。これまでは、国内では「最高裁判所の判決は憲法に立脚した正当な判決」との主張が多勢だからだ。
今月19日、河野太郎外務大臣が南官杓駐日韓国大使を呼び「韓国の国際法違反」について言及した。同日午後に金鉉宗・青瓦台国家安保室2次長は、国内外のメディアを対象とする記者会見を開き「我々が国際法に違反しているという日本側の一貫した主張は誤り」と反駁した。一日の中で韓日政府の全面衝突が発生したのだ。金次長は「最高裁判所は1965年、韓日請求権協定が徴用工に対する反人道的犯罪及び人権侵害を含まないとの判決を下した。民主国家として、韓国はこうした判決を無視することも、破棄することもできない」と述べた。この日の様相を見る限り、2019年7月19日をもって1965年体制が破綻するのではないかと懸念せざるを得ない。

 青瓦台のバックブリーフィング

19日、韓日摩擦問題について行われた青瓦台の高位関係者によるバックブリーフィングの要旨を伝えると次の通りだ。
「韓日問題は対話によって解決するのがベスト。(法的な)紛争解決は時間がかかり、両者いずれも満足しない結果を招く。よって対話で解決するのがベストであり、そうした全ての手段と方法をまず試すことが合理的だ。(韓日企業の拠出金で解決しようという1+1案に対し)我々は柔軟な姿勢だ。日本の案を知りたい。今回、米国から(韓米日)3者会議開催を提案され、これに対し我々は合意したが日本からは返答がない。対話によって日本の立場を知る必要があるが、(日本は)会議すら行わないという立場であるようだ」

曺国民情首席による反日扇動

大統領が核心参謀として選出した曺国民情首席が、今回の韓日葛藤問題について世論の両分化に乗り出した。曺首席は21日、自身のFacebookに「韓国の裁判主権を無視し、日本が挑発した経済紛争の正否を争う韓日外交戦が世界貿易機構(WTO)の一班理事会で開かれる。文在寅政府は国益守護のため『徐熙』の役割と『李舜臣』の役割を同時に担っている」と語った。 
高麗時代の外交戦術家「徐熙」と壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の司令官「李舜臣」を引き合いに出し、「政府は、韓国に対する日本の経済規制に上手く対応している」とのメッセージともとれる。曺首席は20日、「1965年以降の韓国の立場と、2012年と18年の最高裁判所の判決を否定するのは日本政府の立場であり、このように主張する韓国人は『親日派』とみなすべきだ」と主張。さらに「日本との経済戦争」「愛国か利敵か」などに言及した。いくら個人のSNSを通した主張だとしても、大統領の腹心である青瓦台幹部の発言であることから、現政府の意として解釈されるはずだ。
文在寅大統領は今月12日、全南のブルーエコノミー経済ビジョン宣布式に参加し「全南は李舜臣将軍の護国精神が宿る地だ。全南の住民らが李舜臣将軍と共にわずか12隻の船で国を守り抜いた」と語った。これは、当初用意された大統領の演説文にはなかったアドリブの発言だ。曺国という青瓦台要員個人の逸脱と受け流すには類似点が多い。これらを踏まえると、今回の韓日葛藤の早期解決は長期戦になるという懸念が拭いきれない。


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