21世紀の文明史の流れを変える米・中戦争が予想を超える速度と範囲で途方もなく拡大している。1年前、トランプ大統領が中国の対米輸出品に関税を課したときは、米・中葛藤が貿易と経済摩擦のように見えた。
ところが、米国の意図と目標は昨年9月、トランプ米大統領の国連総会の演説、その10日後のマイク・ペンス副大統領のハドソン研究所での演説を通して明確になった。社会主義と全体主義独裁への拒否だ。そしてその後の中国の対応を見ても、この戦争が21世紀の冷戦、第2の太平洋戦争のような様相さえ呈している。この戦争の結果は、アジア太平洋地域の地図の色を変えるだろう。
われわれは、この戦争を惹き起こしたのは中国共産党であると見る。そう考えるのは、思慮深い専門家の指摘通り、現代文明と文明が生んだ世界秩序に寄生し成長した中国(中国共産党)が、まさにこの世界秩序と現代文明の基本原理と価値を攻撃する体制となったからだ。
中国共産党は、人類の知識をデジタル全体主義体制の構築に利用し人民を弾圧する。共産党独裁の中国は1949年建国以来、周辺を侵略した。この中華帝国は自国民も植民地のように弾圧、搾取するシステムで運営されている。これは、もはや隠せない、明確な事実だ。30年前、天安門事態を暴力的に鎮圧した中国共産党は、彼らの中華全体主義の構築と維持、拡散のための世界戦略を展開している。
韓国人は二つの観点から米中戦争を自分自身の問題として捉え、この戦争に対する態度を決めざるを得ない。まず、米中戦争は現代文明と国際秩序を護り抜くのか、それとも野蛮なデジタル全体主義の拡散と強固化を許すのかという問題だ。20世紀に人類が経験した通り、自由と全体主義の間には中間、中立や傍観はあり得ない。
二番目は、この米中戦争の結果が、韓半島の未来を決定するからだ。米・中は韓国戦争を通じて韓半島の「1953年体制」、つまり分断体制の持、管理に合意した。だが、中華帝国主義はこの1953年体制に挑戦した。軍事的膨張を追求する中華帝国主義は、韓半島全体を支配しようとする。
要は、韓半島の未来は米中戦争の結果によって決定される。いや、韓半島の1953年体制は、米中戦争そのものの一部である。第2の太平洋戦争の様相に変わった米中戦争の結果は、韓半島の1953年体制の終息を意味するからだ。米中戦争は特に、アジア大陸全体に文明史的影響を及ぼすことになる。
ところが、まだ米中戦争の本質が分からない人々が多い。米中戦争は、単純な貿易戦争、技術戦争ではなく、人間の生の価値や生き方に関わる戦争だ。中華全体主義体制が科学技術を先占、悪用して個人の自由と尊厳を基盤とした文明社会を後退させるか、それとも文明の荒廃化と後退を阻止するかだ。したがって、自由民主体制の国々は当然、中華帝国という「侵略的全体主義体制」との戦いにおいて力を結集しなければならない。
しかし、韓国では今、この自明の事実も認識できない集団が国家権力を掌握し文明史の流れに抵抗している。韓米同盟は「韓半島の1953年体制」の中で大韓民国の安全と繁栄を可能にした土台だった。そしてこの「1953年体制」を克服することこそ、去る65年間の韓米同盟の究極の存在目的だ。
今、新たに覚醒した多くの韓国人は、韓米同盟を中心に「侵略的全体主義」を粉砕する文明史的使命を担う覚悟だ。北京と平壌の野蛮な全体主義と連携しようとする親中反米反日路線の克服が緊急の課題だ。先月発足した「大韓民国の自由民主主義を守る在日協議会」もこの使命のための種だ。