【BOOK】『白仮面』金来成・著/祖田律男・訳

名探偵劉不亂が挑む二つの難事件 少年たちの勇気と知恵に胸が躍る
日付: 2019年05月22日 00時00分

 ときは1930年代、白いマントで全身を覆い、ドクロを描いた白い仮面をかぶって現れる怪人の噂が全世界を駆け巡っている。その名も白仮面。いったい何者なのか、白仮面の素顔を見た者はだれ一人としていない。世界各国の大都会に出現しては国の宝物を盗み、邪魔をする者は容赦なく殺されるという。世にも恐ろしい白仮面。あるとき、「1週間以内に京城へ行く」という白仮面からの予告状が新聞社へ届く。
「愛する数百万の少年諸君!」という書き出しで始まる本作は、小気味よく痛快である。テンポの良い語り口は、まるで動画をみているかのよう。
白仮面に相対するのは、探偵小説家であり、東京警視庁から勧誘を受けるほどの名推理を発揮する劉不亂氏。劉探偵と共に事件を追うのは、水吉少年と親友の大準少年。さながら明智小五郎と少年探偵団VS怪人二十面相といったところか。
表題のほか、劉探偵が孤児院の5人の少年少女たちと冒険を繰り広げる『黄金窟』が収録されている。どちらの物語も、聡明で勇敢な少年たちの姿に、忘れていた何かが戻ってくるようだ。
論創社刊
定価=2200円(税別)


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