大韓民国の建国史(153)1961年の韓米関係を示すケネディと朴正煕の対話

日付: 2019年05月22日 00時00分

 朴正煕「(北韓の)食糧消費量と住民の生活水準は非常に低いです。もちろん、彼らは基盤産業と地下資源では韓国より優越です。北の電力生産量は110万キロワットです。韓国は5カ年計画が終わる年に電力生産量が103万キロワットのレベルに達します」
ケネディ「原子力発電所を建てたら良いではないですか」
朴正熙「建設費が高すぎて考えたこともありません。だが、(笑いながら)米国が支援すれば考えてみます。陸軍と海軍の戦力は南北が似ています。空軍は北韓が韓国より4倍強いです」
ラスク「空軍力とは北韓だけのことですか。それとも中共とソ連空軍力を含めたものですか」
朴正煕「北韓だけのことです。韓国と日本に駐屯する米空軍力を含めると、北韓と対等になります。北韓は今、産業化に邁進しており、韓国は遅れる可能性があります。私の最大の当面課題は、軍事力を維持しながら経済を発展させることです。ドイツの場合がそうですが、分断国では経済力が対等でなければ、一方は他のいろいろな部門で遅れます。韓国はそうなってはなりません。私がここに来た理由は、韓国軍の兵力を今の水準を維持するため、大統領の肯定的な支援を得るためで、経済改革と再建への支援を要請することです。共同声明の趣旨はそういう援助があることを意味しますか」
ケネディ「私は朴議長との間で誤解がないよう願います。すでに言いましたが、韓国の安全が米国に死活的な重要性を持っていることをよく分かっています。だが、分かってほしいのは、私たちが今年の援助予算を(議会から)確保できなかったことです。議長は、私たちが提供したくてもそれができない状況について理解してほしいのです」
朴正煕「自由世界の発展途上の国々の自立が最も重要であるという、私の所信を重ねて言いたいです。援助するときも、最短時間の内に最大限の成果を上げられる国を重点的に支援せねばならないと思います」
ケネディ「私も同意します。議会も米国民も援助が最も効率的に使われる国に提供されねばならないと考えています。ラオスは、たくさん援助したのに浪費されたケースです。遺憾なのは、経済的に繁栄している欧州諸国が援助を分担しないことです。彼らは借款を提供する意思はあるようですが年利6%を要求しています。ベルリンの危機については、(ソ連と)妥協が満足に行われると保証できません。平和協定を結んでも自由世界からベルリンへの接近が難しくなるかもしれません。私たちは、ベルリンとベトナムで同時に困難に直面しています」
朴正煕「大統領の時間を奪い過ぎたようです。そろそろお暇しますが、帰国の前に、私が要請した援助について、気分の良い答えが期待できるでしょうか」
ケネディ「私たちは、実践できない約束をするより、できることを約束すべきです。実は、誰かが私にそういう”気分の良いもの”をくれないのかと待っていましたが、議長がベトナム派兵の件で私を気分良くしてくれました。おそらく議長は、米国が途方もないほどの原子爆弾を保有している事実をお分かりになって勇気を得たでしょう。私は議長がここに来られた目的を全く達成できず、手ぶらで帰国すると考えないで欲しいです。議長は、私たちが直面している問題がいかに深刻か理解されたと思います。丁一権大使がこの問題について議長によく説明すると期待します」(つづく)


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