大韓民国の建国史(149)「文民政権」への早期復帰に執着するケネディ政府

日付: 2019年04月10日 00時00分

 朴正煕議長がワシントンに着いた日、ホワイトハウス安保補佐官のウォルター・W・ロスト博士は、翌日の韓米首脳会談に備えた要約報告書をメモ形式でケネディ大統領に提出した。この報告書はケネディ政府の韓国に対する関心事を表している。
<朴議長の訪米で私たちが得られる最も重要な結果の一つは、韓国人と世界の人々に米国が長期的に韓国の将来を楽観していることを確実にすることだ。
これは、分断された祖国の将来に絶望する癖がある韓国人たちに非常に重要だ。韓国人たちはどうすれば経済的自立を達成するか、混乱している。特に学生たちは、彼らが李承晩政権を倒した直後、祖国がこんなに早く権威主義政府に戻ったことに失望している。
これは他の国々の国民たちに非常に重要だ。彼らは今の韓国政権が李承晩式に復帰していると見る傾向があるからだ。彼らは米国が当初はクーデターに反対し、今はクーデターの指導者を丁重に迎えることに混乱している。
以上のことを考慮し、我々は公私席で次の2点を強調すべきだ。
韓国政府は誰も手をつけなかった不正腐敗など痼疾的問題に熱心に取り組んでいる。だが、現在の政府は文民政府へ復帰するための過渡段階の政府だ。
韓国は経済開発に有利な基盤を持っており、私たちは、経済開発の早期進展のためあらゆる手段で支援する。
軍事政権は我々の圧力を受けて1963年4月、憲法を改正し5月に選挙すると約束したが、そのための準備作業はしていない。朴議長に次の質問をしてほしい。
憲法はどう修正するか。63年の選挙に出馬資格の制限がある。選挙の前、政治活動を許可し政党を正常に機能させるか。選挙は公正に実施するのか。
韓国側は共同声明に63年には文民政府に復帰するとの約束を入れようと提案した。この確認は確固とした表現でなければならず、閣下の質問によって新しい合意ができれば、共同声明にそれを入れるべきである。例えば、現政府が基本権の制限を緩和すると言えば声明にそれを反映し得る。
去る6月、韓国問題対策班は閣下に、軍事安保に過度に重点を置いている非生産的な援助政策を修正し、政治的・経済的・社会的発展のための方向へと転換するよう建議したことがある。韓国政府が自助的措置を取れば、米国は経済開発5カ年計画を積極的に支援する意思があることを明白にし、特に電源開発5カ年計画に対する支援を約束する。韓国問題対策班の建議の後、韓国に対する無償支援は当初の1億2000万ドルから9000万ドルに削減され(昨年は1億8600万ドル)、PL480食糧援助も若干減少した。対策班が指摘したすべての問題に対して革命政府が精力的に取り組んでいるにもかかわらず、援助の総額は減った。
韓国側に対して次のように話す必要がある。つまり、昨年の援助のうち、2000万ドルは1回限りの特別支援で、今年の会計年度予算に4000万ドルが残っているが、これを開発借款に専用し得ると。韓国政府は、私たちが促した改革を熱心にしているにもかかわらず援助が削減されたことに対して失望感を覚えている。われわれは現在、無償援助から開発借款へと重点を転換する段階だ。韓国のように外貨準備高の90%と政府予算の大部分を、我々の援助に依存している国で、このような転換を急ぎ過ぎているのではないかという疑問が生じる。   (つづく)


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