今、韓国では共同体の安全と秩序を維持する司法が文明秩序を破壊する凶器となった。司法制度が全体主義の道具となった。
文在寅青瓦台の内部告発で発覚した権限乱用など、広範な不法行為に対する捜査が、政権と結託した司法によって阻止された。検察(ソウル東部地検)が前環境部長官・金恩京を職権乱用の罪などで拘束令状を請求(3月22日)するや、青瓦台代弁人の金宜謙は「法院の判断を見守る。均衡がとれた決定が下されることを期待する」と言った。令状を棄却せよとの注文だった。
ソウル東部地裁の朴禎吉部長判事は、権力の注文通り、法を無視し主思派の代弁人のような奇妙な論理を駆使し令状を棄却(26日)した。「ブラックリスト問題」は、この政権が前政権の代表的「積弊」と決めつけ、朴槿惠前大統領をはじめ、青瓦台秘書室長など数十人を逮捕し有罪を言い渡した事案だ。ところで、文政権の青瓦台の指示で行われた犯罪が、まさにその「ブラックリストの作成」だ。前政権のブラックリストが有罪なら、現政権のブラックリストも当然有罪だ。ちなみに、金宜謙はあの注文からわずか1週間後、汚い不動産投機の発覚で辞任した。
朴禎吉の令状棄却決定文は正常な思考をする人が到底書けない文だ。もっとも、彼は大学時代から主思派(金日成主義)の戦士として自由民主体制を打倒する地下闘争を展開、当局の手配から逃避している。韓国が共産化されていないのに、彼がどうして裁判官になれたか不可思議だ。韓国の司法制度に致命的な欠陥があると断定せざるを得ない。この主思派が司法を掌握しているのが今日の悲劇だ。彼らは真実と嘘を見分ける能力も意志もない。彼らは、自ら奪取した司法権力を、反対派除去の「合法的」暴力手段として使っている。
健康な社会では嘘が許されない。司法従事者たちは、嘘に怒らねばならない。ところで、主思派は嘘が本性だ。文在寅は国民を騙し、同盟をだまし、国際社会を欺いてきた。そして、北の非核化を妨害した。
歴史的に前近代からの克服は、法治主義を通じて達成されてきた。個人の自由と尊厳を基本とした健全な法治主義、司法制度の確立なしに先進社会は不可能だ。なのに、文在寅・主思派政権が法をどう悪用するかは、最近のわずかの事例でも証明されている。
文在寅は時効が満了した事件の捜査を命じた。「ドルキング事件」や「偽の5・18民主有功者」など、自分が陥った危機から脱出するため権力を悪用している。友邦と締結した協定を無視し、80年前の事件で韓国にある日本企業の財産を裁判所の判決という要式行為で押収するのが法治主義か。国民年金基金を利用して特定の民間企業の経営権を脅かし、奪うのが法治か。
文在寅は、平壌側との「9・19軍事合意」を忠実に履行するという。憲法は徹底して踏み躙り、敵との約束(降伏行為)は遵守するのだ。文は核武装した邪教全体主義と「新韓半島体制」や「経済協力共同体」や「軍事共同委員会」などを推進するという。彼らの描く未来は法治のない全体主義だ。
主思派政権は、人権と人道犯罪者・虐殺者の金正恩に、開城工団と金剛山観光の再開など、天文学的支援をしたがる。主思派は大韓民国の建国に反対した者にも、建国功労者として叙勲するという。これが弁護士の文在寅などの法治への認識だ。
法治を無視する勢力は、特別法を量産し、憎たらしくも「立法」の形で憲法を破壊する。
法の保護を受けたいなら法治主義を守護せねばならない。建国と憲法を否定する集団との闘争は義務だ。憲法を蹂躙し、敵との約束は守るという全体主義・與敵勢力から、司法という凶器を奪わねばならない。全体主義への抵抗は自由人の使命だ。