大韓民国の建国史(141)革命政府の推進力を韓日国交正常化に活かす米国

日付: 2019年02月14日 00時00分

 許大領は赴任してすぐ、機構を縮小し、腐敗した者や無能な者、蓄妻などの250人を解雇した。全職員の26%だった。水利組合も経済規模を勘案し1郡1組合の原則で、約700の組合を約200に減らした。許順五会長は、水利組合の活動を規定した法律がないことに驚いた。植民地時代の朝鮮水利組合施行令を適当に応用していた。独立後も日本の支配を受けている気がして、新しい法律を制定した。1962年1月21日から発効された土地改良事業法だ(水利組合は土地改良組合に名称が変更された)。民間政治家たちが無関心だったことを許大領のような軍人たちによって多くの法律が改正、制定されて法律的植民地状態を脱したのは興味深い。
中小企業銀行の発足:中小企業金融を担当する銀行の設立も自由党と民主党時代に、必要性は言われたが、実現されなかった。革命政府は迅速に実践した。
7月1日、まず、中小企業銀行法を公布した。そして農協に統合された農業銀行の都市の店舗らを母体にして8月1日、中小企業銀行を発足させた。これは韓国無尽株式会社が中央無尽株式会社を吸収して誕生したものだ。農民のための農協改革、庶民のための国民銀行の発足、零細商工業者のための中小企業銀行発足などは中・下流層出身がほとんどだった革命主力将校たちの性向を反映するものでもあった。産業銀行へ投資業務を許可:産業銀行に融資業務だけでなく、投資業務まで付与する法律案が国会に提出されたのは1958年だった。だが、この法案は政爭の中で3年間も寝ていた。最高会議は、12月27日この法律案を可決した。最高会議はまた11月1日、「韓国銀行通貨安定証券法」を制定し公布した。韓国銀行法が規定した公開市場操作機能を法制化したものだ。5・16直後は用途がなかったが、1980年代から貿易の黒字などで膨張する通貨を還収するとき通安証券は伝家の宝刀のように使われる。
革命政府のこの迅速果敢な推進力を見て、駐韓米国大使のサムオル・バーガーは61年8月3日、国務省に以下の要旨の提案をする。
<ケネディ大統領が韓日両国の首脳に親書を送って最も強力な表現をもって国交正常化会談に臨むよう促して欲しい。この親書には「韓日両国の友好関係は共産勢力に対するわれわれの共同の防衛戦略に不可欠だ。韓国が5カ年経済開発計画を推進するためにも、日韓間の新たな関係確立が要求される」という点を強調してほしい>
バーガー大使はまた、「国会や言論から牽制されない軍事政権は、国交正常化問題に対して迅速かつ決定的に行動できるというメリットがある」と分析した。この頃から、米国は韓国で軍事政権が登場したことが、東アジアの対ソ防御線の強化に新しい機会を提供することに気付いた。ワシントンの「緊急対策チーム」が6月5日作成した韓国事態に関する報告書に付属文書としてついている「韓国の軍事情勢に対する米国防総省の評価」は、韓国の戦略的価値と韓日国交正常化が、米国の対ソ戦略なぜ重要かをこの要旨で詳細に説明した。
<韓国が共産化すれば、日本の安保に大きな脅威を受けるようになる。強力な韓国は、日本を中共の脅威から保護するだけでなく、ソ連の脅威に対してもある程度均衡役割ができる。韓国は、北東アジアの強力な反共の砦として中共の影響圏にある他の所(特に東南アジア)で敵の脅威が発生した場合、米軍が迅速に対応できる伸縮性を保障している。(つづく)


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