大韓民国の建国史(135)革命政府に対するケネディ行政府の政策調整状況

日付: 2018年12月12日 00時00分

 7月9日、サムエル・バーガー駐韓米国大使は、赴任後約20日間の活動を要約して国務省へ報告した。彼は「朴正煕が死活のかかった権力闘争に巻き込まれて今、彼にいかなる忠告をしても受け入れられず、むしろ逆効果が生じる」と分析し、「適切でない助言をしたら、彼はさらに抑圧的な措置をとるか、逆クーデターや内乱を惹き起こす危険もある」と報告した。
バーガー大使は「朴正煕は権力の属性をよく理解しており、純粋な愛国心で行動する人であることは確かだ」と付け加えた。バーガー大使は、革命政府が「張勉政府の閣僚たちや側近らが共産党に連累している」と発表したのは、「朴正煕が報復と弾圧をどれほど過激にやれるかをよく教えてくれる事例だ」と批判した。
「このような行動は、革命の基盤を強化するためにも役に立たず、国内外的な観点から、すべてが戦術的なの過ちだ。朴正煕は張勉政府の権威を失墜させるためそういう容共操作をしていると見えるが、理解し難いのは、そうする目的なら、腐敗や無能で彼を攻撃もできるということだ。おそらく、朴正熙は張勉勢力を政治的に完全に除去するつもりのようだ。朴正熙は、張勉政府のとき、共産党の宣伝・扇動と中立主義が学生、労働組合、知識人たちにも浸透したと本当に信じているようだ」
CIAが中心となって米国のいろんな情報機関が作成した7月18日付の「韓国の現政権に対する特別情報判断書」は、「韓国の軍事政権の性格と意図」を評価することに重点を置いた。革命が成功して二カ月が経ったが、米国政府は、朴正煕政権がどのような性向を持ち、国をどの方向へ導こうとするかに対して、絶えず自問自答していた。
この判断書は「今、韓国を統治している軍人たちは頑強で、民族主義的で、野心に満ちた集団だ」とした。「彼らは、大人としての生をほとんど軍隊で過ごし、多くの戦闘経験を持っている」「彼らの仕事のやり方は、知識人や職業政治家たちとは違う」と書いた。
「彼らは組織の重要さと政治の統制技術がよく分かっている行動家たちだ。彼らは、政府と軍部の既得権層が無能で腐敗したことに対して、そして、文民政府の下で発展が遅れたことについて、長い間絶望してきた人々だ。
彼らは権威主義的な国家観を持ち、韓国の経済的、社会的、政治的な疾病を治療するには、公衆の規律と確固とした中央集権的な政府の統制が必要であると確信している。韓国の新しい支配層は、韓国人の生に新たな秩序と規律を注入させ、大々的な経済開発事業を始めようとしている。
彼らは、米国との緊密な協力を望んではいるが、国内問題は独自に、また誰の干渉も受けず導いて行こうとする。遠くない将来に政権を民間人に移譲するとは思えない。彼らは、当面した問題の複雑さと、それを解決するにおいて手段が限られているという事実をようやく理解し始めた」
この判断書は、革命政府内の権力関係に対する深層分析もしている。「10人から12人で構成された大領級はクーデターを企画した人たちだが、彼らは急進的かつ強圧的な政策を選好する。朴正煕は彼らを昇進させ第一線に送る形で去勢したいようだ。朴正煕と彼らの間で衝突が起こる可能性もある。
革命勢力は、初期には相当な国民の支持を受けたが、最近は、都市で不満が漸増している。革命政府の政策が農村と農民を中心としていたため、農村は依然と軍事政権に好意的だ」    (つづく)


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