韓国教育財団に届いた1通の手紙

奨学生がつづる米国生活
日付: 2018年12月05日 09時34分

学業と育児 両立の秘訣とは…

 公益財団法人韓国教育財団(徐東湖理事長)は、在日韓国人の次世代育成を支援する財団として最も長い歴史と規模を持つ。(ソウル=李民晧)

 韓国教育財団は、経済的に困難な在日同胞の子弟に対する教育支援を目的として設立した団体だ。最近、財団に届いた1通の手紙が感動を呼んでいる。昨年、「碧夆奨学生」として米国に渡った具良鈺さんは、自身の留学生活を手紙につづった。
韓国教育財団のホームjページ
 「昨年のちょうど今頃、当時2歳だった娘をつれて初めてニューヨークの地を踏みました。その時は不安感に襲われ、極度の緊張状態でした。生活の基盤をつくる上で困難が多く、何度も投げ出したくなりました」
娘を抱き一晩中、涙を流したことも度々。しかし具さんは諦めなかった。韓国教育財団をはじめ、自分を応援してくれる多くの人々を思い、挫けてはいけないと心を奮い立たせた。彼女は、学業と育児を両立しなければならない環境で「歯を食いしばって」奮闘した結果、ニューヨーク大学ロースクールコースを無事卒業することができた。
財団内において、碧夆奨学基金は特別な意味を持つ。同基金は、実力はあるものの経済的に困難な次世代の同胞を助けたいとの思いで発足。一人の在日韓国人2世の篤志家による寄付金を財源にしている。2005年の設立以来、これまで15人の奨学生を支援してきた。
奨学生の資格条件は簡単ではない。米国30位、及び全世界50位圏内のMBA(ビジネススクール)専攻者を対象としており、相応な学業実績が要求される。現在の受給条件は、具良鈺さんの選抜時とは異なっている。
ある在日同胞の子弟はかつて、韓日米の懸け橋となることを夢見て米国のMBA留学を目指したが、経済的な理由で断念した。失意の中、彼は新聞に掲載された「碧夆奨学生募集広告」を目にした。彼は記事を切り取って1年間財布に入れて持ち歩き、チャンスを待った。そして見事、碧夆奨学生となり、夢にみた米国留学が叶ったのだ。
韓国に住民登録を置く留学生を助ける財団や奨学会は多数ある。日本国籍者たちが奨学支援を受けられる道も多数ある。しかし、韓国国籍であっても日本で暮らす在日同胞の場合、資格に該当しないケースが意外と多い。その場合、向学心と実力があっても経済的な事情で諦めざるを得ないことも。その点、「在日の若き才能の未来に力を」与えている韓国教育財団の役割は大きい。これまで財団から奨学金を受給した奨学生は9600人を超え、総額18億円に達する。
財団ホームページ(www.kref.or.jp)の紹介文は、これまでの財団の歴史と目的、存在の理由、今後の道を端的に表している。
「故国を後にして、生活の基盤すらない異国の地に渡った私たちの先輩世代は、生きる最低限の糧を得るために、肉体を酷使して働き続けました。一方で、次世代を担う子供たちには最高の学問を授けたいという信念を胸の中にしたためてきました。1963年、多くの在日同胞たちから寄せられた浄財と韓国政府の支援により、財団の前身『在日韓国人教育後援会』が設立されました。在日同胞の子弟に対する教育支援、その悲願実現が目的です」


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