公取法改正案が国会審議へ

規制強化で経済活動圧迫
日付: 2018年12月05日 09時25分

 公正取引法改正案が先月27日、閣議を通過し今後、国会で審議されることになった。金尚祚委員長が推進するこの改正案は、他の先進国よりもはるかに厳しい規制が含まれたものだ。国際基準に照らし合わしても行き過ぎとの声が高まっている。

 韓国は、文在寅政権発足後、企業に対する規制が厳格化され、起業および企業活動が難しい環境下に置かれているが、今回の公正取引法改正案ではさらなる規制強化が盛り込まれた。
今回の公正取引法改正案で変更される大きな項目は四つ。(1)専属告発制の廃止(2)オーナー一族による子会社持ち株に対する規制枠拡大(3)循環出資議決権制限と公益法人の議決権制限(4)課徴金の引き上げ。
専属告発制は、談合などの公正取引法に抵触する事柄に関しては、公正取引委員会の告発を必要とし、その後に検察が捜査と起訴を行う制度。参与連帯をはじめとする一部の市民団体は、公取委が企業告発に消極的な姿勢が見られると主張して専属告発の制度の廃止を要求してきた。この制度が廃止されれば、公取委と検察という二つの国家機関に、談合に対する1次捜査権が認められることになる。
オーナー一族の子会社(孫会社も含む)持ち株に対する規制枠も拡大される。韓国では、利益がオーナー一族へと流れるような企業構造や取引システムを利用しているケースが多い。特に、子会社、孫会社を利用する場合が多く、子会社を作り一括発注し、利益を分散している。また、持ち株にかかる相続税が大きいため、子会社などを利用して節税する場合も多い。
今回の規制枠の拡大は、これまで「オーナー一族の持ち株は上場企業の場合30%まで、非上場企業の場合20%まで」規制対象とされていたものを「上場・非上場ともに20%まで」に統一するもの。同改正法が施行された場合、現在の規制対象203企業が440企業に拡大すると見られている。規制対象企業は、グループのガバナンスの中核である「キャッシュ・カウ」(稼ぎ頭)の役割を担うところが多い。この規制により、企業は、最終的に株式を追加で売却せざるをえないケースも出てくることが懸念され、海外投機筋の株の買い占めが容易になる。
今回、新たに含まれる「循環出資議決権制限」と「公益法人の議決権制限」も企業にとって負担となる。資産10兆ウォン以上の新規の大企業集団に循環出資議決権制限規制を新設し、公益法人が保有する子会社株式の議決権行使が15%まで認められることになる。
課徴金も談合が発覚した場合、10%から20%へ引き上げられる。
一方、公正取引法改正と同時に商法改正案も進められている。改正案は「集中投票制」の採用を義務付けるものになっている。これは、小口株主や投機資本が取締役を選出できるというもの。監査委員の選出の際、大株主の議決権も制限される。これにより大株主に反対する勢力が監査委員を掌握する可能性があり、企業活動に混乱を来すことも予測される。


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