下落続く韓国株式市場

米中貿易摩擦などが影響
日付: 2018年11月07日 07時52分

 韓国株式市場に激震が走った。韓国総合株価指数(KOSPI)が先月29日、2000を割り込んだ。同日、韓国政府が対策を発表したが、目立った効果はなかった。5日現在、2076・92まで値を戻したが、米中貿易摩擦の影響による世界経済停滞への警戒感などから、さらなる下落が懸念される。

 29日の株式市場は、前日より0・47ポイント下落した2026・68で取引が始まった。取引開始直後から値を落としたが、韓国政府の証券市場安定化対策が発表されたことから一時、上昇に転じた。しかしその後、外国人投資家の売り注文が続いて1993・77まで下落し、この日の最安値を記録。その後、やや持ち直して1996・05で取引を終えた。終値で2000を割り込んだのは、2016年12月7日の1991・89以来、22カ月ぶりとなる。
韓国金融当局は同日、懸念された株価暴落対策として、証券関連機関を中心に5000億ウォン以上の資金を準備して運用するなどの安定化対策を発表したが、市場にさしたる影響を及ばさなかった。
株価暴落の原因は、米中貿易摩擦に伴う世界経済の成長鈍化への懸念や、米国の利上げなど複合的だ。この日、米国のニューヨーク証券取引所の主な株価指数は軒並み大幅に下落したことから、これに連動し、アジア各国の株価も一斉に大幅な下落となった。なかでも、特にKOSPIが他の主要国証券市場に比べて大きく反応した。
今回の株価暴落から韓国経済の抱える問題が浮き彫りになった。韓国証券市場は日本、中国などと比較して、海外の影響を受けやすい。これは韓国経済の高い対外依存度が原因。輸出依存度が70%以上の韓国は、貿易紛争に伴う輸出の減少で、景気が減速する危険性がそれだけ高いと見られている。特に輸出先トップの中国の経済状況に左右されやすい。事実、今年に入り、KOSPIの株価は上海株式市場と同じ曲線を描いている。米中貿易摩擦の長期化が予測されるなか、中国への依存度を軽減していかないと共倒れになる危険性がある。
さらに、今回の暴落を含む10月の株価下落の要因として、外国人投資家の韓国株離れが指摘されている。
10月1カ月間で、KOSPIとKOSDAQの時価総額は250兆ウォン以上減ったが、外資は4兆5000億ウォン以上が流出したと見られている。
これは、3年前の15年8月の4兆2950億ウォン以来もっとも大きい。韓国経済の状況を示す各種経済指標の数字も最近著しく悪化している。外国人投資家の韓国株の投げ売りは、韓国経済の今後の動向を悲観的に見ているという結果である。
象徴的なのはサムスン電子株。サムスンは関連企業を含めると国内総生産の2割を占めるともいわれており、サムスンがつまずくと韓国経済も直接的な影響を受ける。
一方で、サムスン電子の業績は好調だ。先月31日に発表した今年7~9月期連結営業利益は、17兆5700億ウォンと過去最高を記録した。しかし投資家の評価は厳しい。サムスン株は5月4日の5万3900ウォンをピークに反転し、10月26日には4万400ウォンの年初来最安値をつけた。
これは近い将来、半導体需要が縮小し、同社の業績が落ち込むと予測しているからだ。さらに半導体に代わる主力事業が未だに育成されていないことを示す。
半導体産業は現在の韓国を支える基幹産業で、サムスン電子の問題は現在の韓国経済の問題ともいえる。
このような状況のなか文大統領は、所得主導型経済成長政策を継続して進めることを発表。金東〓副首相は、「現在の株式市場はパニック状況ではない。コンティンジェンシープラン(非常対策)を持っているので状況を見守る」と危機感は薄い。


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