朝総連衰亡史(89)自発的な奴隷として暴君に尽くしてきた朝総連

日付: 2018年07月31日 04時47分

 平壌がアリラン公演を再開するという。この殺人的な暑さの中で、数万人が練習せねばならない。
このようなことを自慢する体制を容認すべきか。朝総連は人間として、親として、同族としての良心というのがないかのか。寒さや暑さの中でどういう練習をするのかは、朝総連の幹部たちが一番よく分かるはずだ。
朝総連は毎年、新春公演に朝鮮学校の生徒たちを平壌に送る。独裁者の前での公演だから、多くの時間を練習に費やす。もちろん、独裁者の配慮で平壌に住む住民や青少年・学生たちのように猛暑の下、あるいは真冬にコンクリートの上で訓練するわけではない。
ところで、独裁者のための祭典のため貴重な時間を奪うのが学生たちの未来のためになるものか。このようなことを強いる朝総連幹部や朝鮮学校の教師たち、それを許す親たちは罰を受けねばならならない。
ちなみに韓国では、ソウルオリンピックのとき、開幕式行事など大学の舞踊専攻の学生たちも動員がゆるされなかった。強制動員を親たちが拒否したためだ。
一昨年、韓国へ亡命した元駐英北韓大使館の太永浩公使は自叙伝で、この問題について記述している。
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英国外務省北韓課長の憤怒、「あなたは父の資格がない」(『3階書記室の暗号』の245ページから)。
2005年12月に英国外務省の新任北韓担当課長が、平壌に派遣されて北の事情を把握してから帰国後、ロンドンで太永浩参事官と会ったときのことだ。新任北韓課長は、彼が平壌で目撃した、寒い冬、小学校や中学校の生徒たちが平壌体育館前の広場で集団体操の訓練をする光景について質問した。
(前略)「特に、8歳ほどの子供たちが手に手袋をはめてコンクリートの上でタンブリングをする姿を見て涙が出た。ところが、彼らを同情する平壌市民は一人もいなかった。一体、なぜ北の人々は子供たちが寒さに震えながら指導者の誕生日の準備をすることについて同情しないのか。子供がかわいそうでないのか」 (中略)
「今、ロンドンの小学校で勉強しているあなたの次男が8歳と聞いている。あなたの子が寒さに震えながらコンクリートの上でタンブリングをすると想像してみろ。それも、たかが指導者の誕生日を祝うためなら、あなたは同意できるのか。
私は当然同意すると言った。そう言ったら彼は、”あなたは父の資格がない。あなたのような人とは話したくない”と言って席を立って出た。
胸が苦しかった。私は深い考えに沈んだ。平壌で子供の集団体操の訓練をたくさん見たが、それが間違いだと思ったことが一度もなかった。大使館に戻ってきて大使に新任課長の話を伝えた。大使は、その内容をそのまま平壌に報告しようと言った。私は大使の指示に従って電文を作成し、『新任課長がそう思うようになったのは、平壌駐在英国大使のデビッド・スリンが悪い影響を与えたと思われる』と付け加えた。それとなく英国大使を引き出した理由は、現地で私たち(*大使や太公使など)が北の政策をうまく宣伝しなかったという批判を免れるためだった。
電文はそのまま金正日に報告され、金正日は姜錫柱に電話で叱責した……(中略)ところが、それから子供たちの集団体操の訓練は中止された。(中略)今、振り返ってみると、本当にごいことだった。北の子供たちが、それ以上真冬に集団体操の訓練をしなくなったのは、私の功労だと自負している」
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太永浩公使は、平壌の外務省は、数多くの粛清の嵐の中でも組織全体が変わるような事態がなかったし、犠牲者も少なかったという。その理由と秘訣を興味深く記している。
「その秘訣は、まず外交事業という特殊性と関連している。外務省で働けば世の中の事情が分かるようになる。金氏3代の胸中も他人より先に読み取れ、彼ら(首領)の目に障る行動をしない。(中略)最も重要なことは、金正日や金正恩が即興的に下す指示を無条件執行しないことだ。(中略)姜錫柱も、金正日から即興的な指示をたくさん受ける。だが、他の機関のように無条件”わかりました”と執行しない。厳密に検討し、金正日に文書で裁可を受ける」(つづく)


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