金正恩が習近平に騙されて、韓国および米国と約束した「非核化」を拒否し、8月までに戦争の準備完了を督励しているという。金正恩が核を放棄せず、中国のみを信じて世界を相手に戦うことを決定したら、米国と国際社会は、中国と北韓が望む通り破滅への道に追いやる。
ところで、北韓は、そして在日朝総連は、自分たちの運命を全てかけるほど、中国を本当に信頼はしているのか。要するに、朝総連は米国より中国式に生きたいのか。領土的な野心のない米国よりも、韓半島に対する支配力を確立しようとする中国にすがって隷属される悪夢に苛まれながら生きたいのか。
朝総連は、金氏王朝が中国やベトナムのように、市場経済を受け入れ、変化するのは望まないのか。この地球上には、未だ社会主義体制を採択している国々がいないわけではない。ところが、そういう国々の中で、なぜ北韓が最も貧しいのか。
北韓は最近、南北の経済協力を強調している。余裕のある韓国が当然、お金を出すべきで、お金を出すのが、結局は、韓国にも良いという理屈を強調する。本当におかしな話だ。韓国が、韓半島の歴史上最も豊かに暮らせるようになったのは、第二次世界大戦が終わった後、韓国が大陸と完全に切り離された環境のおかげだった。韓国が大陸の一部ではなく、島国として海へ向かって出て行ったおかげで、豊かな国になったのだ。今も、アジア大陸からの共産全体主義の脅威がないなら、韓国ははるかに発展するはずだ。
中国共産党は韓国を「台湾化」することを彼らの東アジア戦略の最優先課題としている。ところで、世の中に永遠に変わらないものはない。中国が韓国を中国の方に引き寄せようとするのと同様に、米国も今、北韓を中国から分離し、ベトナム化することを考えているからだ。
実際に先週、平壌を訪問して金英哲などと「非核化」を協議し、帰りに東京を経由して7月8日、ハノイに到着したポンペイオ米国務長官が、米国のそういう考えを公に表明した。ポンペイオ長官は、「北韓も、米国との関係正常化を通じて経済成長を遂げた、ベトナムの道を歩むことを望む」と話した。米国は世界に向けて公開的に米国の意図を発表した。金正恩とその取り巻きらは、人民たちに核兵器がなければ、北韓は滅びると洗脳してき、今も洗脳している。では、ベトナムは核兵器と大陸間弾道ミサイルをもっているため安全が保障されているのか。ベトナムが発展するのはなぜか。ポンペイオ国務長官が北韓を騙すためそういうことを言うのか。
結論的に言えば、北韓の場合は、金正恩・首領体制の下では、中国やベトナムのようになるのは難しい。その理由は秘密でもない。
中国共産党とベトナム共産党は、社会主義体制の限界を感じたとき、韓国の朴正煕モデルを見て自分たちの経済体制の何が問題なのかに気付いた。それで素早く躊躇せず市場経済の一部を果敢に収容した。
中国とベトナムは党が素直に、人民の中に闇市場が現れて広がる前に党が先制的に改革・開放に挑戦した。党が人民の市場活動を抑制し、抑制が困難な状況になってはじめて対応しようとした共産党独裁の諸国(ソ連、東欧)は、独裁体制が皆、崩壊した。これが生きている歴史の教訓である。
この教訓から見れば、北韓はすでに手遅れかも知れない。では、党がチャンマダンと戦って敗北するまで待つべきか。もちろん、北韓はスターリンに餌食になった他の国々のように、歴史的に運が悪かった。北韓国住民が望んで社会主義を選んだのではない。日本軍の武装解除を名目に、北韓を占領した赤軍によってスターリン主義が無理矢理に、そして徹底して移植されたからだ。
さらに、鴨緑江と豆満江の向こうも全部共産化されていた。最悪だったのはこの新生国の指導者となった金日成が自らの絶対権力ばかりに関心を傾けた無能な悪党だったことだ。北韓にも李承晩や朴正煕がいたら、北韓の運命も変わったはずだ。
でも、まだ機会はある。今でも韓半島に主に災殃だけをもたらしてきた中国との長年の関係を断ち、北韓に対して領土的な野心のない開放国家と緊密な関係を構築すればよい。
平壌で生まれて生きてきた同胞たちは世の中がどう変化するか知らない。日本から世界を見ている朝総連が歴史を変えねばならない。米国が、中国の支配から独立できるようにしてあげると言ったとき、朝鮮労働党内の守旧反動勢力と戦って、祖国の同族たちを救おう。 (つづく)