朝総連衰亡史(86)韓民族は自らの運命を決める選択をどうするか

日付: 2018年07月04日 00時00分

 いわゆる「歴史的な米朝シンガポール首脳会談」にもかかわらず、米朝関係が改善される兆しが見えない。やはり金正恩が、自分が署名した米朝合意書を守ろうとする姿勢を見せていないからだ。米国の情報機関は、金正恩がシンガポール会談中も、核爆弾のための物質と弾道ミサイルの生産を続けていたことを把握したという。
もちろん、平壌の労働党は開き直るはずだ。労働党の日本支部である朝総連も、平壌の指示に従って白を切るしかない。おそらくトランプと文在寅を見事に騙した自慢をするかもしれない。労働党日本支部も各級組織ごとに米朝首脳会談後の世界秩序について学習を始めた。
労働党日本支部の朝総連はいろんなことを言っているだろうが、米国が金正恩とシンガポールで首脳会談をすることにしたのは、中国との制限戦争のため、これまで65年間続いてきた「1953年体制=停戦体制」にけりを付けるためだった。この戦いは金正恩ではなく、中国を相手にする闘いだ。
平壌の労働党は、米国が圧迫を加えてきても、彼らが育ててきた従北文在寅主思派政権を頼りにするはずだ。韓国の従北勢力は、労働党日本支部の朝総連や朝総連の別働隊である韓統連も仲間と思っている。
そして、朝総連が長年大事にしてきた日朝国交正常化推進議員連盟(会長自民党の衛藤征士郎衆議院)など親北人士も労働党日本支部の朝総連に騙されて6月21日、日朝関係のため動き始めた。さて、果たしてそうなるだろうか。
国際政治で、小国が大国を見事に騙せることはない。ホワイトハウスのジョン・ボルトン安保補佐官は、今後1年以内に北の非核化のための具体的措置を言っている。米国が北韓の内部事情を詳細に把握しているのは当然、北韓内の協力者たちがたくさんいるためだ。
韓国と米国の専門家たちが北韓事情をよく把握している理由は、まず韓国に定着した脱北者たちが労働党日本支部である朝総連よりもはるかに多いからだ。朝総連が「共和国」を知ることより、脱北者たちが北韓をもっとよく知っている。
先週、発表された日本当局の統計によると、2017年末現在、日本に居住する朝鮮籍の数は3万859人だ。2017年6月末(3万1674人)と比較すると、つまり、6カ月間に815人が減った。半年の間に800人が減れば、今年末には3万人以下になる。
金正恩はもしかしたら、中国を期待するかもしれない。ところが、中国が米国と戦って勝てるだろうか。自分の運命のための正しい選択のためには、自分を客観化し、世界情勢を正確に知る必要がある。共産党独裁の中国に未来がないことを知らず、中国に未来を任せれば、中国共産党が滅びるときに一緒に亡びる。
北韓は、日本の植民地から解放されたとき運悪くソ連陣営に属するようになった。それで73年が経った今まで苦労をしているのだ。強要された選択ではあったものの、その選択の結果で、70年以上苦労したのに、今また選択を間違って今後、長い年月をまた苦労したいのか。それとも韓半島の運命をまた周辺強大国が決めるようにするのか。
朝総連は党の指示に従って学習し洗脳された通り、金正恩だけを見て進めば生存できると考えている。果たしてそうか。金正恩の教示がどういうものかを考えてみよう。
労働党と朝総連は、金日成と金正日が生きていた時から、首領の現地指導を称賛する記事を日常的に掲載するが、首領が現地指導をするとき悲劇が起きた場合が多い。金正恩は特に、現地指導中に責任者を処刑するよう指示する場合が多かった。
平壌の事情に詳しい脱北者によると、人民武力省後方局の検閲局長・ヒョン・ジュソン中将が金正恩の命令で処刑されたという。ヒョン中将は今年の4月10日、戦時物資の総合検閲のとき、「もう、ベルトを締めてロケットと核兵器を作るため苦労しなくてもよい」と発言し、西海海上射撃場の軍官たちと家族に油と米とトウモロコシなどを配給した。これが報告されて、金正恩の指示で5月初め、公開処刑されたという。
自分が横領や着服したのでもなく、空腹の住民たちに配給したことを処刑したのだ。誰もが処刑され得る。文在寅は、この金正恩を「道連れ」と呼び彼を信じている。この文在寅を朝総連は同志と思っているか。韓国も従北たちも今、朝総連のように金正恩に盲目的に忠誠を尽くし始めた。韓国も全体主義社会となれば満足するか。(つづく)


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