朝総連衰亡史(84)在日のあなた方が住みたい国は米国か日本か中国か

日付: 2018年06月20日 00時00分

 金正恩がトランプ大統領に会って、いくつかの合意(約束)をした。金正恩は、米国との関係改善を約束した。シンガポールでの合意文は、最小限の宣言的内容だ。簡単に言えば、平壌が、米国と国際社会に向けて正常国家になると約束したのだ。米国との関係改善とは、米国や国際社会が要求する基準と規範を尊重することで可能になる。
もちろん、この約束を履行するのは容易なことではない。それは最終的には、首領中心の主体思想から、人民個人が中心になる社会への移行であるためだ。場合によっては、中世に天動説から地動説への転換と同じほど画期的な出来事かもしれない。
そして、普遍的な基準への移行のためには、今までなぜこのようなことが実施できなかったのかに対する省察が前提となる。そこまでの真摯な姿勢と覚悟なしには、首領がまた世界中を騙したという汚名をかぶることになる。
平和と繁栄とは、水素爆弾を地球の反対側まで送る能力より先に首領だけでなく、人民たちも東南アジアまで安全に飛行できる飛行機も持たねばならないという意味だ。
さて、それほど敵視していたトランプとの会談をあれほど誇りに報道するのを見れば、朝鮮労働党もトランプが好きのようだ。ところで、米朝合意文を見ると、具体的な行動を約束した事案は、すべてが金正恩の取るべき措置だ。
特に6・25戦争の際、5000柱以上の米軍戦死者と行方不明者の遺骨の発掘と即時送還に同意した。まさか今後もまたお金をもらって米国側に引き渡すのではないと信じたい。これだけが正しく実行されても、新しい関係が始まったと言える。ところで、遺骨の収拾には多くの兵力動員が必須だ。
「トランプ大統領は、朝鮮民主主義人民共和国に安全の保証を提供することを確言し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に対する揺るぎない意志を再確認した」この合意通り、金正恩が米国から安全を保障されるためには遺骨の発掘と遺骨を直ちに送還せねばならない。
シンガポール合意の第4項は、「朝鮮民主主義人民共和国と米合衆国は、戦争捕虜および行方不明者の遺骨発掘を行い、すでに身元が確認された遺骨を即時送還することを確約した」だ。この第4項だけでも誠意をもって実行しても、米国は北韓の態度を信じ安全を保障するだろう。
ところで、なぜ首領たちの懐の中では安全と平和と繁栄がなかったのか。なぜ、中国など社会主義の兄弟国らと親しくした時期には安全と平和と繁栄がなかったのか。国際社会が望む核廃棄を早く受け容れたら、平和と繁栄が20年前に実現したはずだ。なぜそのときは核を放棄しなかったか。今回は本当に核を放棄するのか。先代の首領たちの核保有の遺訓はどうするか。核保有を明示した憲法はいつ改正するのか。今度は憲法に核廃棄を明示すべきではないか。
残念なことに、金正恩の約束を信じない人々は非常に多い。まず朝総連自分は金正恩の約束を信じるのか。金正恩は信じるのか。本当に関係改善を約束したのかは、遠からず明確になる。
今までの北側、そして朝総連も、米国の敵視政策の撤回を要求してきたが、トランプは、北韓住民の平和と繁栄のため努力すると約束した。朝総連機関紙は、これを金正恩の勝利だと叫ぶ。何が勝利なのか。トランプに非核化を約束したのが勝利か、それとも今回も適当に時間を稼ぎ核は放棄しないから、つまりトランプを騙したため勝利というのか。
住民たちを餓死させながら作った核兵器体系は結局、廃棄するため作ったものか。でも今でも北韓住民たちが豊かになれば幸いだ。ところが豊かな暮らしとは何か。良い暮らしは誰より、あるいはどの国より、という比較だ。
もっと具体的には、仮に米国、日本、中国のうち一つの国を選んで住むなら、どの国で住みたいと思うのか。韓国と北韓の中から選択するなら、どこで住みたいのか。われわれが親しくすべき国は、我々が住みたいと思う国であるべきだ。
米国と親しくするのが良いが、中国と親しくするのが良いか。在日は自分の子どもたちに、日本ではなく中国や北韓で生きるようにするか。日本、韓国、米国より北韓で住みたいと思い、子どもたちにも北韓で住むようにするなら首領体制へ忠誠しても良い。
(つづく)


閉じる