【BOOK】『日朝関係史』(関周一・編)

6人の専門家による日朝関係史 2千余年におよぶ歴史から考察
日付: 2018年06月06日 00時00分

 ニュースは新しい諸事象をメディアによって公にすることに対し、報道はそれだけにとどまらず、できるだけ歴史的認識を関わらせて公にすることではないかと思う。昨今の韓国・朝鮮に関係するニュースは、著しく歴史的認識と考察が欠如しているように思えてならない。
本書は、日本列島と朝鮮半島の2000余年に及ぶ歴史を、6人の斯界の専門家が長い歴史の流れを手際よく論述している。そのなかで「倭国と朝鮮三国」の古代から、現在の日本社会におけるヘイトスピーチ問題まで扱っている。
最後に「日本と朝鮮半島の人々は、前近代においては16世紀の一時期を除いて長い平和な時代を過ごした。近代の約40年間は日本の植民地支配によって支配と被支配の関係にあった。いうまでもなく朝鮮半島の人々にとっては過酷な時代であった。その後の現代においては、全体として過去を克服する努力を緩慢ながらも続け、さまざまな分野で交流を進めてきた。隣人としての私たちには、そうした歴史をもう一度見つめ直し、『過去の克服』とともに地球規模の難関に立ち向かうべく、未来の関係を構想することが求められている」と結んでいる。
日々生起する諸事象を「読み」、現在を「知り」、未来を少しでも「見とおす」には「想像力」が求められる。その意味で、本著は格好の案内書であると言える。
吉川弘文館刊 定価=3500円(税別)


閉じる