韓国映画「天命の城」ファン・ドンヒョク監督インタビュー

豪華キャストが集結 朝鮮王朝時代の男たちの熱き闘い
日付: 2018年05月16日 00時00分

 イ・ビョンホン主演、坂本龍一音楽担当の映画『天命の城』が6月22日から日本で公開される。公開にあたってファン・ドンヒョク監督が来日。『怪しい彼女』ほか、幅広いジャンルでヒットを放つ同監督に、自身初の時代劇となった同映画について聞いた。

――この作品を作るきっかけを教えてください。
原作のキム・フン氏の小説は興味深いもので、現在の韓国ではあまり知られていないことが書かれています。私も丙子の役について基本的な知識はありましたが、南漢山城の内外で何が起こっていたのかを詳しくは知らなかった。それについて共有したい気持ちがありました。この映画が公開されたときは、外交的にも経済的にも難しい時期で、丙子の役の時代とさほど変わらない状況に置かれていたとみることができます。当時起こった過ちを回避するには、どうすればいいかを考えるべきだと思ったのです。当時も今も、正しい答えというものはありません。私もこうするべきだ、と意見をいう気持ちはありません。では、どうしたらいいかという”問い”を投げかけたかったのです。
――坂本龍一氏がはじめて韓国映画の音楽を担当、日本で人気のイ・ビョンホン氏、名優キム・ユンスク氏がダブル主演と豪華ラインナップです。
坂本龍一さんの音楽はもちろん、これだけのスターが一堂に会した映画はなかなか見ることができないと思います。
――坂本氏にオファーを出したきっかけは。
もともと私は坂本さんの大ファンで、いつか一緒に仕事をしたいと思っていました。この映画には新しい感覚の音楽が必要でしたが坂本さんが思い浮かび、連絡をとってみたところ、快く引き受けてくれました。最初はネット会議などでやりとりをしながら進め、最終的には韓国にきていただき一緒に映画を見ながら、音楽を調整しました。キム・ドクス氏というサムルノリの第一人者の方と一緒に作っていただきましたが、素晴らしい音楽が出来あがったと思います。
――イ・ビョンホン氏は日本でも大人気ですが、一緒に仕事をした印象は。
チェ・ミョンギルは非常に難しい役で、初めからイビョンホン氏しか考えていませんでした。彼は大スターで、演技力も確か。この役は、水のように静かな感情を、視線や表情のみで表現しないといけない。劇中で彼は、一度たりとも王の顔を見ずに話をしていた。しかし、最後のクライマックスの場面で、王と視線を合わせる。非常に計算された演技です。彼は本当にプロで、完璧に準備をし、演技プランを立ててきてくれました。
――この映画はほとんどが外で撮影されてますが、ロケで苦労したことは。
寒さに苦労しました。もちろん寒さは必要なのですが、室内セットがなかったので、一層こたえました。また、雪が必要なときに雪が降らなかったため、人工の雪を輸入して準備したり。と思えば、雪が必要でないときに、雪が降って撮影ができなかったりと天候に悩まされました。
――セットも衣装も精緻で美しいです。
韓国の史劇のなかでは、武器や着物など最も時代考証に忠実な作品だと思います。極寒の中での南漢山城をリアルに描くため、徹底して研究しました。ただし、確認できないものも当然あります。そういったものは、映画内でどう表現すれば効果的かを考えました。
――次回作については。
とくにまだ具体的な計画はありません。SF映画など新しいジャンルに興味があります。同じことを繰り返すのが好きではない性格なので。


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