朝総連衰亡史(71)平昌五輪の単一チームと政治利用が残したもの

日付: 2018年02月28日 00時00分

 朝総連中央本部が金正日の誕生76周年を祝う講演会(2月12日)と在日本朝鮮人中央大会(2月15日)を開催したという。許宗萬議長は報告を通じて、金正日が唯一思想唯一指導体系という歴史上類例のない暴圧体制を完成させたことと、北の核武装完成などを称えた。
金剛山歌劇団と朝鮮大学校の管弦楽団は、暴君・金正恩と北の核武装を称賛する公演を行った。気の毒なことだ。朝総連は平壌の指示に従って、平壌大劇場で行われた光明星節を祝う公演にも芸術団を送らねばならなかった。今の朝総連の財政事情から、芸術団や祝賀団を平壌に派遣するの本当に重い負担だ。首領たちのための公演など、江戸時代に大名たちの参勤交代を想起させる。
平壌の錦繍山太陽宮殿のガラス棺の中のミイラたちの誕生日をいつまで祝うべきなのか。偉大な首領たちはなぜ死んだ後も人民を苦しめるのか。偉大な首領たちの国がなぜオリンピックも開催できないのか。
いわゆる民族教育機関が今回も暴圧体制と核武装を称える先頭に立った。初級学校から朝鮮大学校まで、そして歌舞団が首領たちと核武装を称えながら、どうして日本政府に高校無償化支援などを要求するのが。パルチザン精神は不思議だ。
朝総連は今回、平昌に応援団を送った。若者より顧問など年寄りが多かった。訪韓中、歓迎を受けたというが、朝総連応援団を歓迎した者たちは、いわゆる「6・15団体」など平壌の労働党と交流する勢力だ。それで満足したのか。
平昌オリンピックに参加した北側代表団は、なぜそこまで尊大か。北側は本当に勝手だった。訪韓団の名簿も一方的に変えた。全体主義独裁体制の中で生きてきた人間に文明的なマナーなど期待できないが、国際社会の最低限の秩序は尊重せねばならない。金与正など高位級代表団はチャーター機を利用して虚勢を張った。ところで、世界一の豊かな国の大統領の娘、イヴァンカ・トランプは普通の航空便を利用した。
北側代表団は旅費も滞在費も持って来なかった。すべて韓国国民の税金で食べ移動した。共産主義は、有無相通ずのパルチザン精神で他人の物を奪うことに慣れている。朝総連は応援より共和国選手団のため費用でも援助すべきだった。
平壌側は今回、金与正が直接乗り出しての宣伝活動で、北側が意図した目的を達成したと宣伝している。彼らは平昌オリンピックを「平壌オリンピック」にするのに成功したと考えているようだ。もちろん、文在寅政権の積極的な協力でそう見られたかも知れない。しかし、韓国国民は、オリンピックを政治的に悪用する文在寅と金正恩に激しい反感を覚えた。そして平昌を通じて、北に関する多くのことがわかった。
特に、北側が10年前と全く変わっていないことに驚いた。対外的に北韓を代表する金永南が、金与正の前でどんな存在なのかが確認できた。北が金氏王朝の封建独裁体制であることが、ソウルからテレビで全世界に放送された。
玄松月は、「事前点検」のときは得意気に行動したが、ソウルの国立劇場での公演では舞台に上がって歌った。金永南も玄松月も金与正の前では一介の戦士に過ぎなかった。金英哲も同じだ。もちろん、金与正も金正恩の前では一人の戦士に過ぎない。許宗萬も平壌へ行けば、金正恩どころか統戦部長の金英哲の前でも一介の戦士だ。北側は、自分たちの封建的暴圧体制を韓国や国際社会にそのまま露出させた。北側は果たしてプロパガンダで勝ったのか。
朝総連は平昌オリンピックで北側代表が素晴らしい成績を上げ、公演団と応援団が平昌で大活躍をしたと宣伝している。馬鹿げたことだ。オリンピックはすべてテレビで中継された。平壌でならいざ知らず、日本ですべての競技を見た人々にあれこれと宣伝するのは馬鹿々々しい。
平壌側と朝総連は平昌を契機に南北のスポーツ交流拡大への期待が高まったと宣伝する。冗談でない。多くの韓国人は今回、平昌に来た選手たちと応援団、公演団などが平壌に戻った後、厳しい思想総和に遭うのを胸が痛く心配している。特に韓国チームと単一チームを構成した北のアイスホッケーチームは厳重な思想教育が待っている。一カ月間一緒に生活して別れのとき涙を流した選手たちがどんな追及を受けるか、胸が痛い。応援団も同様だ。
過去に韓国に行って「美女応援団」の中では、後に粛清され行方不明になった女性がいるのは有名な話だ。朝総連は、このような悲劇には無関心だ。(つづく)


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