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記者会見する川崎栄子さん(左) |
1959年末から始まった帰還事業で北に渡った後、脱北した川崎栄子さんが16日、東京・日本外国特派員協会で会見した。川崎さんは、帰還事業が国際法上の人権侵害にあたるとして、金正恩朝鮮労働党委員長と在日本朝鮮人総連合会の許宗萬議長を国際刑事裁判所(ICC)に提訴することを明らかにした。
川崎さんは、在日朝鮮人を「北韓は地上の楽園だ」とだましたことや、現在も北韓に残っている人々への人権侵害が継続していると主張。また、「北韓を法律の舞台で裁くべきだ」とし、「北に残した家族が心配だ」と胸の内をあかした。
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「帰還事業」は、在日朝鮮人・韓国人と日本人配偶者ら家族の北韓への集団的移住を呼びかけた事業。1959年から84年まで行われ、日本国籍者を含む9万3000人以上が海を渡ったとされる。当時の北韓は、自国を「地上の楽園」と呼び、朝総連は「学校も医療もただ」と宣伝した。