2020年東京オリンピック、2022年北京冬季オリンピックに先立ち、北東アジアオリンピックシリーズの先陣を飾るのが、9日に開幕する平昌冬季オリンピックだ。韓国代表チームは、ホームで開かれる今回のオリンピックで、金メダル8個、銀メダル4個、銅メダル8個、合計20個のメダル獲得と総合4位を目指している。中国や日本を抑え、アジア冬季スポーツの王座を奪う構えだ。 (ソウル=李民晧)
|
写真右/李相花と小平奈緒。2017年2月北海道帯広で開かれた札幌冬季アジア大会スピードスケート女子500メートル。レースを終えた後、お互いの健闘をたたえている。 |
韓日戦で最も注目を集めている種目が、女子スピードスケート500メートルだ。ファンたちは韓国の”氷速の女王”李相花(29)と、日本のエース、小平奈緒(32)の真っ向勝負に期待を高めている。李相花は、過去のオリンピックで2度の金メダルを獲得している。10年のカナダ・バンクーバーでの劇的な金メダル獲得に続き、14年のロシア・ソチでは、熾烈なレースを繰り広げた末に金メダルを掴んだ。
しかし最近は、小平に主導権を譲った格好だ。16~17シーズン後、小平は女子ワールドカップでこの種目、15大会連続金メダルを獲得。国内外の大会を含む24連勝を果たした。李相花は、今シーズンの国際氷上連盟(ISU)ワールドカップ4シリーズで、たびたび小平の壁にぶつかり続けてきた。
現在の実力は明らかに小平が優勢だ。しかし、李相花の談話が心強い。
「私はレジェンドとして名を残します。そうなると確信しています」(大韓体育会インタビュー)。
スピードスケートは、100分の1秒が勝敗を分ける。予選を経ずに勝敗が決まる”一発勝負”の世界で、誰が勝つかは予測不可能という見方もある。
|
江原道庁の聖火封送行事。韓流スターや日本フィギュア選手、崔文洵江原道知事などが参加した。 |
李相花は昨年12月、五輪前の最後のワールドカップシリーズであるソルトレーク大会で、序盤100メートル区間のタイムが10秒26を切った。ソチで金メダルを獲得した際の10秒17に迫ったことは安心材料といえる。
韓国スポーツ開発院(KISS)のソン・ジュホ研究委員は「李相花は、スタートさえうまく切れれば十分に小平と肩を並べる実力がある。この競技は、スタートが終盤まで響くため、スタートが何より大事だ」と語る。
勝負は序盤100メートル区間だ。李相花がトップで通過すれば、終盤まで一定の速度を維持する”ハガネの肉体”の持ち主・小平に対しても勝利が見えてくる。李相花が平昌で金メダルを獲得すれば、オリンピック3連覇の栄光を手にすることができる。スピードスケート史上、オリンピック3連覇は米国のボニーブレア(米国)に続く2人目となる。一方、韓国チームが目標とする金メダル8個のうち4個は、ショートトラックが鍵を握る。ショートトラックの男女1000メートルと女子1500メートルリレー、男子1500メートルなどだ。
|
平昌文化オリンピックのステージの一部。 |
韓国のショートトラックは、名実ともに世界1位で、これまでも多くの金メダルを獲得してきた。今回もやはり、韓国にとっては「金メダル量産のカギ」を握るものと見られる。女子代表チームは過去のオリンピックで、ショートトラックの金メダル24個のうち、11個を獲得した実力を有している。
このほか、そり種目であるボブスレーとスケルトンでは2個以上の金メダル獲得が見込まれている。スケルトンの世界ランキング1位ユン・ソンビンと、ボブスレーのウォン・ユンジョン―ソ・ヨンウチームに期待がかかっている。
実力に加え、コースを把握しているホームゲームという利点を生かすことができれば、金メダル獲得の可能性が高まる。期待が現実となれば、韓国はそり種目でオリンピック初の金メダル獲得となり、「そりの負け組」から脱することができる。