金正恩は今年も、朝総連の終身議長の許宗萬への新年祝電を通じて、「共和国創建70年と朝総連の第24回全体大会を契機に決定的な突破口を開け」と教示(指令)した。
平壌に対する盲従と豹変は朝総連の本性だ。労働新聞を見なくても、『朝鮮新報』を見れば、平壌(首領)の戦略と路線が分かる。
北側は平昌に「民族オリンピック委員会」の代表団を送るという。だが、IOCは国別オリンピック委員会で構成され、国ではない「民族オリンピック委員会」は当然存在しない。北側が「民族オリンピック委員会」を言い出すのは、いわゆる「6・15時代」という連邦制工作を公式化するための幼稚な詐欺手法だ。
朝総連は平壌の指示に従って平昌冬季オリンピックに応援団を送ることになった。朝総連はいつも気まぐれの平壌の主人に服従せねばならないため、実は困惑しているはずだ。しかも平壌で動員される者らは、IOCが出す資金か、文在寅・主思派政権がひそかに支援する資金で平昌に行くだろうが、朝総連は自腹で平昌へ行かねばならないからだ。
朝総連は開幕式と閉会式、北側が出場する種目を応援するため応援団を三回派遣する方針だ。もちろん、「南朝鮮見物」ができる良い機会と思う働き手や、資本主義的に暮らす商工人たちもいるだろう。
青瓦台を乗っ取り強占している文在寅は、ロウソク革命を支援したように、今回の「南北関係の進展」も支援して欲しいと訴えている。これは米国に対する挑戦だ。文在寅が訴える対象は大韓民国の国民ではなく、反大韓民国勢力だ。
少なからぬ専門家たちは、金正恩の新年の辞を契機とした「南北対話の再開」などの平和攻勢は、主思派の全大協議長出身の任鍾晳のレバノン訪問と関連があると指摘する。周知の通り、ヒズボラは朝鮮労働党が「反米共闘」を掲げて長い連合してきたテロ組織の一つで、盟友だ。
レバノンの大統領が北の盟友であるヒズボラ出身で、任鍾晳がレバノン大統領に会った時点(昨年12月11日)を前後として、平昌オリンピックを、国際社会の対北制裁を無力化し北側の対米攻勢に利用し始めたからだ。任鍾晳と全大協の連中は、朝総連に自由に韓国を訪問できるよう、昨年の12月22日に根回ししたのも任鍾晳のレバノン訪問後だ。
朝総連は、資本主義体制の日本内で韓国の財閥を積弊と規定し清算を要求している。朝総連は、日本の大企業も積弊と思っているか。文在寅・全大協勢力は「積弊」のはずの財閥に、平昌冬季オリンピック支援を強要した。革命のためには血を流さねばならないと信じる共産主義者たちは、元々嘘や豹変することを恥じない。朝総連の働き手となるためには恥を知ってはならない。
朝総連は平昌オリンピックを「民族の気概を世界に誇示す」機会と宣伝する。ところが、すでに30年前にソウルオリンピックを開催し、冬季オリンピックまで開催する大韓民国は李承晩と朴正熙が作った国だ。
李承晩と朴正熙を独裁者と学習、宣伝する最大根拠は長期執権だ。しかし、彼らの祖国、朝鮮民主主義人民共和国はどうか。金日成が46年間、金正日が17年間、鉄の独裁をし、金正恩もこの首領独裁を世襲して7年目の恐怖統治をしている。3代70年間、金日成―金正日―金正恩は兵営国家、乞食国家、テロ国家、総体的失敗国家を作った。正常な人間なら李承晩と朴正熙と全斗煥に悪口し、金日成主義を称えられない。
ソウル五輪から30年後、韓国は労働党の宣伝扇動部の道具の芸術団と示範団、宣伝員などが闊歩できる国となった。もちろん、この赤化革命の第一線で貢献したのは従北の元祖である労働党の在日党―朝総連だ。金正恩はパラリンピックにも北のパラリンピックの代表団を送るという。面白い話だ。北側と朝総連はこれまで、「社会主義楽園」の北には障害者はいないと宣伝してきた。障害者は平壌に住めなかった。だが、平昌オリンピックを宣伝の場として利用するため、金正恩は平昌パラリンピックにまで応援団を送る。
金正恩と朝総連は今、彼らが文在寅を屈服させて勝っていると思うかもしれないが、だが、文在寅・主思派の反逆と卑屈に憤怒する韓国民の怒りが間もなく爆発する。選挙で選ばれた大統領たちを断罪してきた韓国人たちが文在寅と金正恩を許すと思うか。北韓人民が許すだろうか。
独裁と野蛮に対する南北の民の怒りが爆発するとき、最も許されざる対象は、自由な社会で、独裁に忠誠した日本と韓国の従北勢力だ。
(つづく)