善と悪を区別しない平和は、偽の平和

日付: 2018年01月01日 00時00分

 東アジアの1953年体制(韓半島の分断体制)が、遠からず避けられない変化を予告している。この現状変更は、東アジアの二大全体主義体制の挑戦のためもはや避けられなくなった。平壌の金正恩が核弾頭を搭載する大陸間弾道ミサイルを完成させ、米国に平和協定の締結を要求している。また、海洋文明に挑戦する中国が「一帯一路」の戦略を追求して、日・米を中心としたインド・太平洋安保戦略と地球的な規模で衝突をし始めているからだ。
トランプ政権は先月の18日、米国の外交・安保戦略の根幹となる国家安保戦略(NSS)を発表した。「インド・太平洋戦略」は、中国の「競争国」、事実上の敵と明示した。日本、インド・台湾と協力するとした。「対北軍事攻撃」の可能性も明確に警告している。
このような状況を背景に、われわれは、2018年に韓半島で、おそらくわれわれの生涯に最も劇的な光景・事態を見るようになるかもしれない。この劇的な場面とは、過去70年間、東アジアの頭痛の種だった北の金氏王朝の3代目の首領・金正恩が、核ミサイルと彼の暴圧体制を持ったまま消えることだ。もちろん、われわれは自由と平和の敵である暴圧体制が消えることで、韓半島に真の平和が訪ねることを願う。われわれが、そういう状況を予想するのは、北韓体制の崩壊が、文明史の必然であるからだ。
ところが、昨年の韓国で、この巨大な現状変更を妨げる攪乱要素が現れた。嘘と暴力で合法政府を倒し、大統領補欠選挙という形で権力を奪取した、いわゆる「ロウソク主思派の革命政権」だ。この革命政権は、登場7カ月で大韓民国の憲法を無視して国体を変えながら、自由陣営の結束を害し、地域秩序の攪乱者となった。
この文在寅主思派政権は、国内的に「積弊清算」を掲げ、保守右派を大々的に粛清し、一方では韓半島史上最大の積弊集団である平壌の金氏王朝を庇護、援助することで、金正恩体制との共存を模索している。もちろん、文在寅主思派政権は、国内外の抵抗に直面した。
国連安保理をはじめ国際社会が、金正恩体制への圧力を強化し、金正恩庇護勢力までを圧迫、制裁する体制を構築したからだ。国内的にも、ソウルでは一昨年の11月以来14カ月連続で毎週の土曜日に、朴槿惠大統領を弾劾した国会の違憲クーデターを糾弾し、朴槿惠大統領の釈放を求める太極旗集会が続いている。
朴槿惠大統領弾劾の決定的起爆剤だった、いわゆるタブレットPCは、全く根拠がなく、捏造されたものであることが証明された。捏造された物証で大統領を弾劾したのは明白な反乱だ。扇動に付和雷同した教養のない大衆にも責任があるが、この稀代の違法、詐欺クーデターに加担した勢力の反乱罪には時効がない。朴槿惠大統領に対する違憲弾劾は、ソウルでは終わったかもしれないが、無関心または冷淡だった、国際社会が、いよいよ関心を見せ始めた。特に、朴槿惠前大統領が不法拘禁状態であるのに対して、国連人権理事会にも実務的な調査に着手した。
韓国の法治があっという間に崩壊したのは、主思派革命分子だけの責任ではない。物質的豊かさばかりを追い続け、共産側との文化共産主義の戦いで敗れた韓国の中産層と知識人にも責任がある。
大韓民国が強大な経済力と軍事力を持っていながら全体主義暴圧体制を打倒しなかったため、首領主義-全体主義の暴圧体制によって自由民主体制解体の実験台に乗せられている。
文在寅政権は北の核の脅威に対処する気は全くなく、中国の圧迫と庇護の下、事実上金正恩が望む、いわゆる平和協定、平和体制を米国に求めている。
文在寅主思派政権に警告する。あなた方の路線は韓国を破滅させている。あなた方は、金正恩を同族と見做し、中国共産党を仲間と、いや主人として対している。米国に敵対し日本を敵対している。あなた方は平和を掲げ自由を敵対している。だが、肝に銘じろ。善と悪を区別しない平和は偽の平和だ。お金で買う平和も当然、偽の平和だ。
主思派は、韓半島史上最大の積弊の金日成王朝の同伴者だ。主思派勢力は、間もなく自分たちが始めた積弊清算の対象になる。
文政権の親中路線は韓国の「台湾化」だ。文政権は韓国の繁栄を可能にした韓米同盟の強化はもちろん韓国の後方基地であり、ともに北核の脅威に露出されている日本も協力せよ。


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