国連のジェフリー・フェルトマン事務次長が今月5日から4泊5日の日程で、北韓を訪問した。9日(現地時間)、国連の声明によると、フェルトマン事務次長は訪北期間中、李容浩北韓外相らに会い「誤判を防止し、衝突の危険性を軽減する緊急のチャンネル開設の必要性がある」と促した。
北韓は9日、朝鮮中央通信の報道でフェルトマン事務次長の訪北を知らせた。だが、チャンネル開設への言及はなく、国連やさまざまなレベルで往来を通じたコミュニケーションの定例化に合意した、とのみ報じた。
国連としてはフェルトマン事務次長の訪問をきっかけに、北韓との対話をはじめ、韓半島の緊張を緩和しようとする努力を続けるものとみられる。
だが、核戦力完成を宣言した北韓が、今後の平和構築に向け立場を変え、局面転換に積極的に出ることを期待するのは難しい。しかし、フェルトマン事務次長の訪問を許可したことからも分かるように、局面転換に期待する可能性があるという見方も出ている。
一方、文在寅大統領は今月13~16日、中国を国賓訪問する。期間中、習近平国家主席との首脳会談を行う予定だ。また、李克強国務院総理、張徳江全国人民代表大会常務委員長、陳敏爾重慶市党書記との会談を予定。権力序列1~3位はもちろん、次世代を担うであろう陳敏爾氏と事実上、中国の権力の核心4人と会談することになる。
だが、習近平国家主席との韓中首脳会談で、両国による共同声明の発表は予定されていない。THAAD問題がまだ決着していないことの現れだ、との指摘が出ている。
共同声明の採択はもちろん、共同記者会見も開かれないが、各首脳の立場を入れた発表文は出される予定だという。発表文も、韓国と中国の首脳会談の後、それぞれの立場を発表する形式で決められた。THAAD問題を利用して韓米同盟を破綻させようとする中国の策略と文政権の対応が注目される。