反国家団体に便宜を図る文政権

日付: 2017年09月27日 00時00分

 文在寅大統領が光復節祝辞で、在日同胞の国籍を問わず、故郷を訪問することができすると明らかにした後、日本など海外の反国家団体と利敵団体が、旅券法と国家保安法などによる規制を無力化させる「入国規制を解除闘争」を展開していることが分かった。


文大統領の発言は、今まで朝鮮籍者(朝総連系)など反国家団体のメンバーと反国家行為者の入国に、旅券法などの実定法によって対処してきた政府の政策と法治を無視した超法規的発想で、盧武鉉政権以来試みてきた国家保安法廃止の意図を表わしたものと判断される。


韓国政府は、「朝鮮籍者」が北韓を支持し、朝総連を通じて北韓旅券まで発行されていることから、国家保安法に基づき、反国家団体から離脱して旅券法などの規定による書類を具備して申請していない限り、旅券を発給できない。


朝総連の訪韓は、韓日国交正常化後、旅券法などに従って人道的次元で旅行証明書を発給し、特別に許可されるべき問題だった。「7・4共同声明」の後、赤十字を通じた南北離散家族の再会が推進され、朝総連系にも人道的次元で、団体による故郷訪問と墓参りを可能にする「墓参団事業」が推進された。


韓国政府は当時、北韓の偽の宣伝・扇動にだまされてきた朝総連系の同胞たちに、韓国を見せて実状を悟らせようという政治的・戦略的意図からこの事業を決断したが、この時も法的には、大韓赤十字が人道的事業として政府に要求した手順を踏み、法治毀損を防ぐ努力をした。


朝総連系の訪韓を、人道的次元ではなく、政治的に可能にする措置をとり始めたのは金大中政権だ。金大中と金正日の6・15共同宣言の後、金大統領(当時)は、金正日が要求した未転向長期囚の北送と、対南工作活動の中心的役割をしてきた朝総連幹部の訪韓の便宜を図るよう、駐日韓国大使館など関係当局に指示した。旅券法などの法的根拠と手続きを無視し、「大統領命令」として、平壌の要求を受け入れた指示だった。


金大統領は当時、韓国政府関係者や日本当局の反対にもかかわらず、日本人・原敕晃さんらを拉致した辛光洙を北韓に送還した。国内では、主体思想派や従北勢力などが総動員され、反国家団体と利敵行為者らの自由往来のための活動が始まった。


盧武鉉政権は金大中政権より一歩進み、国家保安法の廃止を重要課題とした。朝総連とその別働隊である「韓統連」(在日韓国民主統一連合。反国家団体)の庇護と、国家保安法の無力化を露骨に進めた。


盧武鉉政権の国家保安法廃止の努力は、2011年に発行された『文在寅の運命』に詳述されている。盧武鉉政権時、在独大物スパイ・宋斗律が、韓国当局の逮捕の警告にもかかわらず、政権の庇護を信じて訪韓して逮捕された。その後、いわゆる6・15行事などへの出席を名目に訪韓しようとした朝総連中央本部政治局の幹部・朴勇ら工作員は、訪韓を断念した。


金大中‐盧武鉉政権の10年間で、駐日公館が反国家団体のメンバーに無分別に発給した旅券を、李明博政権後、関連法規に基づいて定期的に審査すると、朝総連系や韓統連などは、韓国内の利敵団体や従北勢力と連帯して反発した。
(つづく)


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