核・ミサイル開発に30億ドル

対北支援は体制維持に転用
日付: 2017年09月22日 01時33分

 金正恩は、親北路線をとる文在寅政権発足後も、国際社会の警告をあざ笑うかのように、国連安保理で禁止されたミサイルと核挑発を11回も強行した。各種弾道ミサイルの発射10回、核実験1回だ。
平壌側は2月に中距離弾道ミサイル(MRBM)「北極星‐2型」の発射をはじめ、文政権発足4日後の5月14日には、新型中距離弾道ミサイル(IRBM)「火星‐12型」1発、米国独立記念日の7月4日に試験発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星‐14号」など、今年に入って22発のミサイルを発射した。
韓国の国策研究所の資料と専門家らの分析の結果、これを現金に換算すると約4億ドルに達するという。韓米情報当局はこれまで、北韓が核兵器のための施設建設に6億~7億ドル、高濃縮ウラン計画に2億~4億ドル、核兵器製造の実験に1億6000万~2億3000万ドル、核融合の研究に2億ドルなど、核兵器開発に11億~15億ドルを投入したと推定している。
米VOA(Voice of America)は最近、北韓が核・ミサイル開発に少なくとも10億ドルから最大で30億ドルを使用したと推定、報道した。短距離のスカッドミサイル1基100万~200万ドル、中距離弾道ミサイルムスダンは300万~600万ドル、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は、500万~1000万ドルであることがわかった。
国連食糧農業機関が、北韓の今年のコメの生産量を170万トンと見積もったことを勘案すると、30億ドルすれば、約5年分のコメを購入することができる。つまり、韓半島最大の「積弊勢力」は、人民を餓死させ、弾圧し、核ミサイルシステムを開発、実戦配備した金日成・金正日・金正恩である。
しかし文政権は、日米をはじめ国際社会が中国とロシアに対北韓原油供給中断まで要求する状況で、「人道的」という言葉で粉飾して対北支援にこだわっている。これまでの韓国と国際社会の人道的対北支援は、平壌の首領独裁という暴圧体制支援につながった。
李明博元大統領は、2015年に発刊した回顧録「大統領の時間」で、韓国の対北支援物資が「北韓の軍部隊で発見された」「開城工業団地へのドルが北韓の政権維持費用に含まれた」と述べた。これが「人道的支援」の正体だ。
李元大統領は天安艦爆沈事件の前、金正日が自分に要求した金が100億ドルに達したと述べた。「大統領の時間」に記載された内容は、以下の通りだ。
「(09年11月7日、南北間の実務接触当時)北韓が提示した文書によると、首脳会談をする条件として、韓国側がトウモロコシ10万トン、コメ40万トン、肥料30万トンをはじめ、アスファルト建設用ピッチ1億ドル分を提供し、北側の国家開発銀行設立資本金100億ドルを韓国政府が提供するものとなっていた」
金正日は、李政権が北側の要求を拒絶した直後、天安艦を爆沈させた。天安艦の乗組員だった韓国海軍46人が戦死した。李元大統領は「天安艦爆沈に対する北韓の謝罪と、責任ある措置がない状況で、5・24措置(李政権の対北韓制裁措置)を破棄することは、結果的に、第二、第三の天安艦爆沈を助長するだろう」と警告した。
しかし、文政権と支持勢力は、李元大統領の忠告に耳を傾けるどころか、自殺した盧武鉉元大統領を殺したのは李元大統領であるとし、復讐を誓い、「積弊清算」の対象として圧迫を加えている。


閉じる