世界が懸念する韓半島の危機

トランプ政権にとって好材料に
日付: 2017年09月06日 19時18分

金暎勲 駐ワシントン本紙論説委員

 北韓の核実験により、世界の政局はざわめいている。第3次世界大戦が興るかもしれないという危機意識と、外交的努力による対話の可能性が消えているという事実と、韓半島をめぐる核戦争の兆しが日増しに高まっているためだ。
北韓が示唆しているEMP攻撃は、米国の上空400キロで爆発した場合、米国の全電力源を遮断する。軍事、政治、銀行、病院、通信、放送などは麻痺し、無力化する。直ちに人命被害が出るものではないが、3カ月後には核爆弾の被害よりも10倍以上になるという。
対話や平和共存というカードを持っても何も解決できないと、米国はすでに判断している。文在寅大統領の「制裁と対話」論について、トランプ大統領は冷ややかだ。
トランプ政権は今、国内に重要な問題を抱えている。白人至上主義者への対応、ヒューストンを中心とする中南部でのハリケーン被害の拡大、不法移民の処理、失業者対策などだ。これらの不満を抑えるためにも、国家の安全保障が好材料になる。対北問題が大きく取り上げられるのは確実だ。
国外向けには、米国優先主義政策に対する批判をかわす効果も見込まれる。トランプ大統領にとっては、まさに好材料だ。
金正恩も事態の深刻さを理解したのか、4日に労働党中央委員会政治局常務委員会を開き、軍事的な緊張状態を分析・評価し、その対策を熟考したという。中国とロシアがどこまで北韓を支持し、文在寅政権がどこまで米国と歩調をそろえるかでも変わってくるが、核戦争の惨禍と国家存続の運命をかけた北韓の無謀な挑発が収まることを祈るだけだ。


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