平壌側がIRBM(火星‐12型)でグアムの米軍基地に対する包囲攻撃を公言(8月9日)してから3週間がすぎた。金正恩がグアムへの攻撃を命令すると、北のミサイルは、日本上空を通過する。米軍と日本の自衛隊はこれを迎撃する能力があり、当然迎撃する。
日本では、北韓の核の脅威が現実のものになっていることに対して、「敵基地」への攻撃能力を持つべきだという主張が出て久しい。この主張は、世論の支持を得て事実上、日本政府の政策になりつつある。朝総連は平壌‐金日成王朝を「祖国」と呼ぶ。したがって、金正恩が米国と米軍基地を攻撃すれば「祖国」と日本は戦争をすることになる。
朝総連自身が「祖国」と「米帝」の最終対決は避けられないと宣伝してきた。今平壌では、青年たちや除隊軍人347万人が、米帝と戦うため志願入隊を嘆願したと報じられている。ところが、朝総連はもっぱら日本政府に高校無償化と補助金を求める運動を展開するだけで、朝青員のただの一人も「祖国」のため入隊を志願していない。朝鮮新報は「祖国」で志願入隊嘆願の騒動が起きたとき、日本各地で行われたサマースクールを大々的に報道し、「祖国を訪問中」だった朝連教職同も、戦争騒動とは無関係な雰囲気だった。
金日成の卑怯な奇襲南侵で6・25戦争が起きるや、韓国では数多くの学徒兵が戦線へ赴き、民団からも642人が参戦して135人が戦死した。これが本当の国民の姿であり、愛国心だ。
結局、朝総連は東京の韓国大使館や外務省、駐日米国大使館の前に集まって抗議する安全な革命活動ばかりをし、危険な闘争はしないのが伝統であり、彼らの体質だ。要するに朝鮮大学校や朝青が強調する祖国と首領への忠誠と闘争は、朝大の単位を取得するための、教室での革命闘争で、平壌の指令を盲目的に復唱する宣伝、扇動活動だ。
朝総連は文在寅政権をロウソク革命政権と評価してきたが、平壌側は文在寅政権を相手にする価値もない存在だと貶めている。朝総連は大元帥様の深い思想を具現しようと誓う。
金日成が言った平和とは、南韓にいかなる政府も存在しない状況を言う。平壌側は先週も白翎島と大延坪島占領訓練を公開した。米国への核攻撃脅威を実行できないから、文在寅に攻撃の矢を向けている。
朝総連は米韓合同のフリーダムガーディアン訓練中止と駐韓米軍撤収を要求しているが、1949年6月に撤退した米軍を呼び戻したのは6・25南侵戦争を起こした金日成と毛沢東、スターリンだ。
米国と北・中連合の対決は、最終段階に入った。去る72年間は韓半島の分断体制を適切に管理するのが国際社会の目標だったが、金正恩の挑戦で、韓半島の現状変更、つまり1953年に締結された停戦体制の変更は避けられなくなった。しかし、「1953年体制」の変更は現状変更の完了ではなく、次の段階に向けた新たな出発になる。
もちろん、平和協定は、双方が合意してこそ締結される。問題は、米国が考える平和協定の条件と、平壤側が考える平和協定の内容と基準が異なることだ。米国は、北韓が米国の脅威にならないように、核ミサイルの完全な廃棄を前提とする。しかし、金正恩は、紙に署名するだけの平和協定は全く信じない。
金正恩は、リビアのカダフィやイラクのフセインはもちろん、人口5000万のウクライナがロシアにやられるのを見て、核ミサイルを絶対放棄しない姿勢だ。もっとも、北核は「金氏王朝の奇跡」だ。数百万人の人民を殺して作ったものだからだ。そのため北核問題の解決は結局、金正恩の除去、首領独裁体制の解体以外にない。
国家保安法を廃止し、在韓米軍を撤収させ、韓米同盟から離脱し、自由市場経済を否定し、連邦制を追求する文在寅政権とロウソク勢力は、果たして金正恩と朝総連にとって同志なのか敵なのか。答えは敵だ。
文在寅とその支持勢力が近年、大韓民国の1919年建国説を主張し始めた。1919年建国説は、「朝鮮民主主義人民共和国」と首領体制には致命的だ。1919年は、少年・金日成が「打倒帝国主義同盟」を作ったという年より7年も早い。つまり、大韓民国1919年建国説は、それ自体が国家保安法と関係なく、金日成王朝を反逆集団として断罪するものだ。大韓民国が「建国」されてから29年後に金日成が「人民共和国」を作ったのだ。これは到底赦せない反逆、反乱になる。(つづく)