【韓日米 危うく脆い三角同盟】 危機に瀕した韓米同盟

的中した李承晩の憂慮
日付: 2017年08月15日 00時00分

韓国の未来拒む中国

 韓米同盟は、李承晩建国大統領の深奥な戦略的慧眼の産物だ。つまり、米国が6・25戦争の休戦に反対しないという条件で、李承晩大統領の要求に応じて実現したのが、韓米相互防衛条約だった。
李大統領が韓米同盟を求めたのは、金日成の北韓のためではなかった。大韓民国は、平壤の背後のモスクワと北京、つまり共産圏全体と対決する運命であることが分かったからだ。1954年11月18日に発効したこの条約は期待どおり、大韓民国の安全保障と繁栄の土台となった。米国としても、最も成功した同盟の事例だ。
韓米同盟は発効から63年経ち、最大の試練を迎えている。同盟に重大な亀裂が生じ始めたのは、韓国に偏狭な民族主義の親北政権が登場してからだ。平壤側の核開発を本格的に支援した金大中、金正日の弁護人を自任した盧武鉉時代を経て、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の実戦配備が最終段階に入った、自由社会の敵・金正恩との連邦制を急ぐ文在寅政権が、政変を通じて登場したためだ。
金正恩は、米国に平和協定締結を要求している。そして、紙にすぎない条約ではなく、真の不可侵条約の保障装置になりうる、米本土に届くICBMの実戦配備を急いでいる。もちろん米国としては、仮に平和協定を締結するとしても、北の核能力の完全破棄が基本条件となる。
中国は金正恩の核戦略を全面支援している。李承晩大統領が憂慮したとおり、中国共産党が大韓民国の未来を拒んでいる。
問題は、当事者である韓国だ。文政権は、国民の多数が支持するTHAAD(高高度防衛システム)配備をサボタージュし、中国の顔色をうかがっている。さらに金正恩体制の崩壊を望まず、人為的な統一を推進しないとまで言い放った。
文政権は、韓米同盟の維持・強化より、韓米同盟の破棄を求める中国側との関係を重視し、米国が自国の安全を護る対応措置にまで異を唱えている。

 

 


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