ベトナムに熱視線 

生産拠点から市場へ急成長
日付: 2017年07月12日 21時36分

 韓国経済の現在の課題は、過度な中国依存。THAAD配備に対する報復をみるまでもなく、一国への過度な依存はリスクが高い。分散化が必要とされるなか、注目されているのがベトナム市場。韓国は2014年から3年連続で同国の最大投資国となっているが近年、直接投資が増加しているだけではなく輸出なども急伸している。

 韓国とベトナムの経済関係が緊密化している。韓国企業の海外進出先といえば、以前は真っ先に中国が挙げられたが、近年、ベトナムに進出する韓国企業が増加している。韓国はベトナムへの投資額で世界トップだが、韓国企業のベトナムへの投資の特徴は製造業の比率が60・4%と高いことにある。
これまで人件費の上昇する中国に代わる低コストの生産拠点として、直接投資が行われてきた。背景の一つにはサムスン電子の半導体工場の成功がある。同社は、ベトナムをスマートフォン生産の一大拠点として位置づけ投資を拡大してきた。
2009年に携帯端末を製造する第1号工場が稼働し、13年には同社の輸出総額は約2兆5000億円を記録した。これはベトナム全体の輸出の15%以上を占める。ベトナムは貿易赤字が大きな課題だったが、サムスンの工場開設が同国の貿易赤字を解消し、黒字化した。16年には同輸出比率は22・7%まで達している。
サムスンの事例だけではない。靴の製造などを行う泰光産業は、ベトナムに進出した韓国企業の先駆けだ。工場進出からスタートし、今や火力発電事業も手掛ける。中小企業の進出も、製造業の分野を中心に盛んだ。
しかし、ここにきて変化が見えている。「生産拠点」としてではなく、「マーケット」としてベトナムで事業を行う韓国企業が増えてきている。
ロッテリアは現在、ベトナムで204店鋪、小売りのロッテマートは13店鋪を構える。今後、ベトナムの主要都市に60カ所のショッピングモールを開設する方針が昨年発表され、ハノイでは「ロッテセンターハノイ」の開発事業に着手することを決定。3300億ウォンを投資して20年までに複合ショッピングモールを開業する。
中国からの事業撤退を表明したEマートは、ベトナム投資を拡大している。Eマートは現在、ホーチミンに1号店を運営しているがホーチミン2号店をオープンすることが決まった。さらにホーチミン市と協約を締結し、2億ドル規模の投資を行う計画を発表した。
現代ホームショッピングは、昨年から通販番組の放送を開始。20年までにベトナム全土1300万世帯を対象に、1000億ウォンの売上げ達成を目標にしている。
CJグループも「ベトナムを韓国、中国に次ぐ第三の拠点にする」との目標のもと、ベーカリーチェーン「トゥレジュール」を展開。そのほか、テレビ通販のCJオーショッピングなどの放送を行っている。
ベトナムの消費財市場は前年比10・2%と2桁の成長を記録、1人あたりのGDPは2450ドルだが、毎年5~6%の上昇が継続している。ホーチミン市に限れば6090ドルに迫っている。購買力の高い35歳以下が全人口の60%以上を占め、消費市場の成長潜在力が高いというのも、マーケットとして大きな魅力となっている。


閉じる