文在寅政権の全体主義独裁を警告する

日付: 2017年07月05日 20時53分

 文在寅政権発足から8週間、大韓民国は途方もない不安と混沌に陥っている。理由は法治が踏みにじられているためだ。常識的な国民は、新政権を大統領補欠選挙による「政権交代」と理解するが、文政権は自らを「ロウソク革命政権」と規定する。彼らは「ロウソク民心」の要求に応ずるのが政府の最優先使命で、公務員はその道具だと言い放つ。民労総と全教組などが、この革命政権の主人のように振る舞っている。
政策路線は政権によって変わり得る。しかし、文政権は建国後の反共民主政府をみな「積弊」と決めつけ、積弊を清算する「革命」のため、自由民主と市場経済体制に反対してきた人々を起用している。青瓦台の核心ポストには主思派出身者をあて、駐韓米軍撤収と韓米同盟破棄を主張した人物などを重用する。
文在寅大統領は、大韓民国の安保より金正恩体制に配慮する姿勢を見せた。韓米両国が合意したTHAAD配備をサボタージュし、韓米首脳会談前には、反米従北勢力の駐韓米国大使館包囲を放置した。反米派は「自主国防」を叫び、地上軍兵力の削減、連合軍司令部解体など韓米同盟解体に走っている。彼らが叫ぶ「自主」は、中国の顔色を窺う自主だ。
訪米中も「ロウソク革命」を強調した文大統領は、韓米首脳会談で、北韓の核ミサイルへの対応で両国の意見が一致し、韓国主導の平和体制構築に合意したと発表したが、現実とはかけ離れた話だ。
トランプ大統領は「北韓への忍耐が終わった」と言ったのに、文大統領は「北韓を敵視する政策を推進せず、北韓を攻撃せず、政権交代や政権崩壊を望まず、人為的な韓半島統一を加速しない」と言っている。来年2月の平昌五輪に北韓が参加するよう、中国に頼むという。言語道断だ。文政権が望まなければ金正恩体制は崩壊しないのか。それとも崩壊しないよう努力するということか。
文大統領は、盧武鉉政権の時も数匹のサンショウウオ保護を理由に、大規模工事を中断させて巨額の予算を浪費させた。同じことが繰り返されている。文大統領は、長年の検討の末に決めた事案、国民的合意が必要な事案を、大統領命令で中断させる。原子力発電所の建設を止め、今日の韓国の発展を導いてきた科学技術を廃棄している。
主思派政権は、国政能力もなく、傲慢で偏狭な世界観に陥っている。雇用創出を公約に掲げた文政権は、大企業を率いて数百億ドルを米国に投資させた。企業に国内雇用を求めた政府が外国への投資を促すのは、喜劇というしかない。
文大統領は、自身が人権弁護士であると自慢してきた。だが、彼は前大統領を拘束して裁判している。大韓民国憲法は不拘束裁判が原則だ。何の証拠もなく弾劾した前大統領を、1日10時間前後、週4回ほどの殺人的な裁判を続けている。
文政権は、国際社会が糾弾する金正恩には寛大で、李在鎔サムスン電子副会長などの不拘束裁判を受ける権利は蹂躙している。文政権には、金正恩だけが見えるが、北韓住民の人権は見えていない。
文政権は、「ロウソク民心」を国会よりも上位に置いている。「5・16革命」を軍事クーデターと非難してきた「民主化勢力」が、国会を利用して民衆革命というクーデターを恣行し、今度は法治と国会を対象にクーデターを目論んでいるのだろうか。
金正恩は決して核兵器を放棄しない。金正恩が言う平和体制とは駐韓米軍の撤収だ。韓半島に平和をもたらすのは、自由民主主義の力で北韓を解放することだけだ。
多くの国民は沈黙している。沈黙と無関心は全体主義独裁を増長させる。われわれは法治を抹殺する左翼全体主義独裁に警告する。「ロウソク革命政権」が憲法と法治を否定するなら、国民はそのロウソク独裁政権を打倒する。


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