朝総連衰亡史(45) 対南工作組織の正体をあらわにした朝総連

日付: 2017年06月28日 00時00分

 朝総連が「ロウソク革命」の成功で、わが世の春のようにはしゃいでいる。朝総連は、自分たちが文在寅政権を誕生させたかのように、いろいろな注文をつけている。26日付の朝鮮新報は「積弊清算の始まりは良心囚の釈放」と言い、文在寅政権の最優先課題の一つは「アカ狩り」で拘束された良心囚の釈放と、政治的指名手配の解除措置だと主張している。
朝総連は内乱煽動罪で服役中の李石基の釈放と、統進党解散の取り消しを要求している。きっと、北から李石基救出指令が下っているのだろう。
一方、朝総連は文大統領に対して失望感を隠していない。文大統領が北核問題と関連して北を非難し、THAAD問題に対して中国を説得するとしたことに対し、現実認識が足りず、民族の重大事に対しても曖昧な態度を取っているととがめ、焦っている。(朝鮮新報26日付)
朝総連は平壌からの指令で、韓国内でのTHAAD配備撤回闘争を扇動している。26日付の朝鮮新報8面に、日本社会に向けた宣伝扇動工作の記事が掲載されている。「弾道ミサイル落下時の行動について」の記事を受けて、横浜の市民団体が「戦争危機煽る市に強く抗議」という記事だ。朝総連の図々しさと幼稚な扇動の見本といえるこの記事の内容を紹介する。
「朝鮮東海に面した秋田県、山口県をはじめとする各地域において現在『ミサイル避難訓練』が相次いで行われている。これは4月21日に発表された日本政府の『ミサイル落下時の対応策』にもとづくもので、同日、都道府県の危機管理担当者を集め指示された。この動きの一環として横浜市総務局危機管理課が、市の広報紙『広報よこはま』6月号に、『弾道ミサイル落下時の行動について』という記事を掲載した(写真)。これが市民に与える影響が極めて多岐にわたるという点で看過できないとし、15日、『かながわアクション』のメンバー11人が横浜市総務局危機管理室および市民広報相談サービス部を訪れ、抗議と質問要請を行った。『かながわアクション』代表世話人である高梨晃嘉さん(69)は『今回の記事は市民らの危機感、不安感を意図的に煽る役割を果たしている。さらに、結果的に在日朝鮮人の方々に対する民族差別、排外主義をあおるものとなっており、極めて重大な問題だ』としながら、この日対応に現れた市の記事担当職員に、市長、総務局長、市民局長宛てに質問要請事項の書かれた文書を渡した」
質問要請事項の内容などは省略するが、要するに、どういう状況を想定しての避難行動なのかということだ。横浜市側の対応は分からないが、客観的に見て日本政府と横浜市の措置には正当性があると思われる。これまで金正恩、つまり朝鮮労働党は、韓米同盟を相手に核戦争を繰り返し恫喝してきた。そして在日米軍基地もその攻撃の対象になると宣言してきたのは周知の事実だ。
では、北のミサイルが横浜に落下する理由、あるいは可能性はあるのか。もちろん、充分ある。
横浜の周りには複数の重要な米軍基地がある。米陸軍第1軍団前方司令部が位置するキャンプ座間をはじめ、米7艦隊の母港・横須賀基地、在日米軍司令部がある横田基地、米海軍第5空母航空団の厚木基地などがある。これらの米軍基地は、いざというとき金正恩の攻撃目標になる。もし、金正恩がこれらを狙って攻撃を命令し、北の戦略ロケット軍がミサイルを多数発射すれば、横浜に北のミサイルが落下する可能性は高い。
北側は今まで核戦争の覚悟を隠さなかった。ちょうど同じ日付の朝鮮新報4面に、「朝鮮人民は声明する」、朝・米核対決戦に関する《労働新聞》正論(要旨)が掲載された。
「世界よ、聞け。わが朝鮮人民は爆弾のように宣言する。われわれに立ち向かえる者は誰だ! この地の人民は、奴らの狂気と至る所で叫ばれる混乱の本質を鋭く見抜いている。核の保有か核の放棄か、制裁か対話か、世界中が言っているが、それは米国と敵対勢力が張った煙幕にすぎない。今日の真の大決戦を、帝国主義が勝つか、人民が勝つか、社会主義が勝利するか、それとも資本主義が勝つかという理念の対決で、制度の対決であることを、朝鮮の人民はぞっとするほど悟っている。(中略)70年間近くベルトを締めて休むことなく作って要塞に蓄えた銃弾と砲弾はもちろん、強力な核戦略兵器で地球上のどこでも射程圏におさめ、存在するあらゆる敵をすっきり消してしまう」    (つづく)


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