朝総連衰亡史(34)

朝総連は平壌でロウソク示威をやって見ろ!
日付: 2017年03月23日 09時33分

 3月17日付の朝鮮新報は、朝鮮大学校第59回卒業式が3月12日に行われたと伝えた。3月15日に報道しなかったのは、おそらく朴槿惠大統領弾劾の記事を「キャンドルの勝利」と大々的に報道するためだったと推測される。いずれにせよ、朝鮮新報は「明るい未来へ一歩踏み出す」というタイトルで、朝大卒業記事を4面にわたって報じた。
愛国の1世、2世たちが偉大な大元帥様たちに忠誠を尽くしてきた伝統を守るのが卒業生の最高の使命であると強調した許宗萬議長の祝辞も掲載した。張炳泰学長は卒業生に、これまで7000人以上の卒業生と同様に、朝大で体得した人生観を人生の柱とするよう強調した。
卒業式には教職員や家族など約1500人が参加したという。ところが、59期の卒業生が何人なのかは発表していない。発表しない、あるいは発表できない理由は何か。
卒業生は、元首の金正恩に忠誠を誓う手紙を朗読したという。これこそ「首領のための革命戦士を養成」する機関であることを確認する儀式だ。
朝鮮学校の「民族教育としての機能」を認める多くの在日同胞も、朝鮮大学だけはなくなるべきだと言っている。彼らは朝大がどういう存在なのかを知っているからだ。つい最近、外信はイタリア政府が国連の決議に基づいて、北韓留学生の専攻を変えたと伝えた。大量破壊兵器開発やサイバー攻撃などと関係のある分野への制裁の一環だ。
朝大こそ、朝総連の科協と共に、北韓の核ミサイルなど軍事分野の研究に貢献してきた代表的存在だ。朝総連系の科学技術者の寄与は、彼らに対する平壌側の待遇を通じて確認される。朝鮮新報が3月15日に掲載した弾道ミサイル発射を誇り、正当化する記事からもわかる。朝鮮労働党の立場からは、科協のメンバーや、労働党が資金を支援した朝大出身者は、いつでも召喚・動員可能な人員なのだ。
朝大が「教育機関」であるにもかかわらず、基本的な情報もほとんど公開しないのは、日本国内で最も重要な北の工作拠点であるからだ。同窓会名簿すら公開しないのは、それほど秘密が多いからだ。
朝鮮新報が「キャンドルの勝利」と大々的に報道した朴大統領罷免も、留学同と朝大の朝青が扇動活動に動員された。彼らは授業の一環として、東京の韓国大使館や日本外務省の前でデモをする。
朝総連は、ソウルの憲法裁判所が大統領罷免を決定したことを、彼らの勝利のように祝った。本当におかしなことだ。平壌で人民が飢え、労働党幹部が裁判なしに処刑されていることには沈黙し、なぜ韓国に対してはそこまで関心を示すのか。朝総連が韓国の司法制度やメディアとデモを称賛するのは、もしかしたら平壌でも首領を引き下ろす蜂起が起きることを願う心の表れだろうか。
大韓民国の象徴である太極旗を拒否する勢力を支援し、声援を送る朝総連は、彼らが大韓民国の敵であることを自認している。だが、ロウソク示威は3カ月前から太極旗に圧倒されている。朴大統領の罷免を正義と言った朝総連は、遠からず金正恩の終末を見るだろう。
朝総連は金正男暗殺から1カ月が過ぎても、毒殺された「共和国公民」の名前を発表しない。金ハンソルなど金正男の遺族が、中国当局の黙認の下、亡命したことも報道しない。朝鮮新報3月22日付は、総連活動家が「反共和国捏造報道」を行ったTBSに連日厳重抗議をしたと報じた。だが、何がどう間違っていたかは摘示していない。
朝総連は、「VX毒殺説」を否定している。朝大工学部は、VXのような化学物質の製造に関する資料を平壌に送ったことがあるだろうか。日本政府が制裁対象に指定した朝鮮国際化学合営会社は、朝総連が第2経済委員会の要請で作った組織で、科協や商工連などが全面協力した合営会社だ。
朝総連は、前の東京大空襲で犠牲となった朝鮮人追悼式に参加した。だが朝総連は、そういう記事を書ける立場か。金正恩は72年前の空襲とは比較にならない核攻撃を公言しているではないか。
標的は米国というが、金正恩が現実的に攻撃できるターゲットは、在日米軍基地、つまり日本だ。ミサイルには核弾頭だけでなく、おそらくVXと生物兵器も搭載される。72年前に犠牲となった朝鮮人は、米軍の爆撃で死亡したが、もし次東京が攻撃されるなら、それは核兵器によるものだ。朝総連はこれでも首領に盲目的に忠誠を誓うのか。(つづく)


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