在日韓国人にとっては、少し心がざわつくニュースである。大阪府内にあった国有地が、学校法人「森友学園」に売却されていたという▼都有地を貸し出してもらい、韓国学校を建設する計画が、昨年あえなく頓挫したばかりである。国有地と都有地、売却と貸与という差はあるものの、森友学園が破格の安さで「お上の土地」を手に入れたのは確かだ▼さらに韓国人の気持ちを穏やかざるものにしているのが、森友学園の教育方針だ。学園が運営する幼稚園では保護者向けの配布資料に「邪な考えをもった(名前は日本人なのですが)在日韓国人である・支那人であるそれらを先導する人、それに金魚のフンのようについてくる人は(中略)近づけぬことです」などと書かれていたという▼国有地の問題とは別に、同幼稚園の異様な実態も明らかになっている。運動会の選手宣誓。「日本がほかの国々に負けぬよう、尖閣列島、竹島、北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心改め、歴史教科書でウソを教えないよう」と、園児は大人たちに求めた▼学校法人が教育方針を定めるうえで、思想・信条は排除できまい。特定政党の思想に寄ることもあるだろう。ただ、分別のつかない子どもに、宣誓という形で言わせるやり方はいかがなものか▼理事長には土地取得の経緯説明と、教育方法の見直しを求めたい。特に後者をそのままにしておくと「日本を悪者として扱っている」どこかの独裁政権を崇拝する学校と、同じになってしまいますよ。