就任から早1カ月が経とうとしているのに、連日国内外のメディアを賑わせているのが、米国のトランプ大統領だ。就任直後に打ち出した貿易政策の見直し、メキシコ国境での壁建設、中東やアフリカ7カ国からの90日間入国停止など、大きな関心が、この極東の島国からも寄せられている▼視点をヨーロッパに移すと、フランスが熱い。4月から5月にかけて行われる大統領選に、注目の女性党首が出馬しているからだ。マリーヌ・ルペン。発言内容や政策面でトランプ氏との共通点を挙げられることの多い候補で、4月の1回目の投票に勝ち、5月の決選投票に進むことが今のところ濃厚だ▼トランプ氏とルペン氏。両者に共通するのが「自国第一主義」である。乱暴に言えば、アメリカさえ良ければ、フランスさえ栄えれば…という考え方だと要約できよう▼そういえば日本にも「ファースト」を多用するリーダーがいる。「都民ファースト」の小池百合子知事だ。彼女の言うファーストは、概して既得権益との比較で語られることが多い印象である。その効果は先の選挙で予想以上の結果となって表れた▼今年12月、政局によってはそれより前に韓国大統領選が行われる。すでに有力候補の名も挙がっている。いい意味での「コリア・ファースト」を打ち出す候補が出てくるか▼韓国と国民にとって、最も優先されるべきは何なのか。憲法には「大韓民国の領土は、韓半島及びその附属島嶼とする」(3条)とある。決して南だけの幸福を追求しないでほしい。