試練は個人にも国家にも成長を促す薬だ

日付: 2017年01月01日 11時14分

 韓国で不気味な政変が進行中だ。メディアの扇動報道によって触発された朴大統領への国民的反感が、あっという間に大統領を無力化した。反憲法勢力は、大統領弾劾事態を憲法上の手続きで収拾しようとする努力を妨害し、野党と群衆をそそのかして「民衆革命」で国家権力の奪取を目論んでいる。
莫大な資金が必要な「平和的ロウソク示威」は演出されたものだ。大韓民国内部の敵が「ロウソク」を利用して自由民主体制を攻撃しているのだ。
この「民衆革命」の陰謀にメディアなどが同調し、柔弱な国民を洗脳、混乱を助長している。今回の事態が「言論の乱」と呼ばれるゆえんだ。
ロウソクの炎は、人民を虐殺する平壌の「金氏王朝」に向けられるべきだ。この政変の中で与党・セヌリ党は無力化、分裂し、韓国から保守右派が支持できる政党は消えた。
この「民衆革命」勢力の政府転覆企図に驚いた国民たちが、憲政守護のために行動しはじめた。今回の事態に見られるメディアの誇張・扇動報道は、全体主義独裁体制でもなかなか見ることのできない悪辣な捏造・扇動であり、言論の自由を裏切った歴史的な犯罪だ。光化門一帯に200万人以上の群衆が集まったという、10~20倍の水増し報道は、理性的集団なら絶対にできない誇張だ。
観念論者たちにとって、200万は頭の中の単純な数字かもしれないが、大韓民国国軍兵力の3倍以上、世界最大の兵力を持つ中国人民解放軍全体と同じ規模だ。軍隊に命令を下して動員しても光化門一帯に何個師団を集結させられるだろうか。
多くの外国メディアも「民衆革命司令部」が発表したこの「200万人ロウソク」説を鵜呑みにし、そのまま伝えた。国内外のメディアは、「平和的デモ」と報道したが、未成年者を憎悪と反逆のスローガンが乱舞する示威に連れてくる大人たちは、子どもたちが成長後、「革命的暴力性」を持つように洗脳しているのと同じだ。
テロ勢力が子どもを戦闘とテロに動員する蛮行を、マスコミ自身が報道してきたではないか。このようなメディアが多いから、共産党や全体主義のプロパガンダが成功するのだ。
いずれにせよ、韓国の一寸先が見えない政局は、すでに国際情勢にまで影響を及ぼす不安定要因となった。米国をはじめ自由世界が金正恩の核ミサイル除去に腐心している状況で、当事者である韓国の進路が不透明であるからだ。仮に、年内の大統領選挙で文在寅のような左派が政権をとれば、韓国は金正恩への支援という水準にとどまらず、南北連邦制に進むという悪夢もありうる。
いわゆる「民主化」された第6共和国は、国会独裁が強化されたことにより、自ら法治主義を崩した。国会と政界も、憲法と法治を無視してきた。扇動された民衆革命を、国家権力は放置している。
韓国では、左傾既得権勢力が大衆を支配する構造が固着している。法治が機能しなければ、内乱が来る。大統領より、法治を無視する国会の弾劾を望む国民はもっと多い。
平壌側は今年も核実験やサイバー攻撃で、韓国の政権交代、内政に積極介入するはずだ。親北・容共政権を打ち立てるため、あらゆる手段を尽くすだろう。この挑戦に大韓民国はどう対応するのか。
韓国はあまりにも長く安全保障を同盟国に依存してきた。同盟関係も絶えず補完が必要だ。一方的依存は健全な同盟関係を害する。新しい米トランプ政権は、国際政治のルールも変えると公言した。米国の同盟国は、米国との戦略調整が避けられない。
中国は、THAAD配備反対で見られるように、大韓民国の自主独立を否定し、自由統一に反対する。北韓の核兵器は、北韓と中国の戦略的共謀と規定せざるをえない。北核は中国の核でもある。韓国人の事大主義根性が中国共産党の覇権姿勢を増長させた。
中華覇権主義が普遍的国際秩序を認めないなら、大韓民国は中国と対決せねばならない。韓国も核戦略の教訓どおり、核武装で対応するしかない。これは大韓民国の権利だ。
大韓民国は建国以来、アジアの自由の基地だった。自由は妥協の対象ではない。大韓民国の核は自由を護るためのものだ。自らの自由も護れない者が、奴隷状態にある北の同胞を解放できるか。
すべての危機と苦難は機会でもある。「民主化」がもたらした放縦と混乱を克服すれば、大韓民国はもっと高い段階に上る。今、韓国に必要な人物は、ビジョンと大衆に追随しないリーダーシップを兼ねた者だ。
戦士は作られる。決まった歴史などない。歴史は書かれるものだ。歴史的な転換点に立った韓国国民は、新しい歴史を作る底力を発揮するだろう。


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