朝総連衰亡史(23)

『動物農場』実現した朝鮮労働党とその在日党
日付: 2016年12月01日 11時04分

 朝総連の同胞に対する搾取・恐喝構造がどうなっているのかについては、すでに朝総連から粛清されたり、進んで組織を離れた数多くの元活動家たちの証言と告発がある。ところが、共産全体主義体制に対する知性人の凄絶な告発は、韓半島にスターリン主義が本格的に移植されはじめた71年前から全世界に向けて行われていた。
共産主義社会を描いた文学作品のなかで代表的作品が、71年前、韓半島が植民地から解放された2日後に刊行されたジョージ・オーウェルの小説『動物農場』(原題:Animal Farm)だ。あまりにも有名な古典だが、まだ内容を知らない朝総連同胞のためにあらましを簡単に紹介する。人間の農場主が動物たちの利益を搾取していることに気づいた「荘園牧場」の動物たちが、よいどれの農場主を追い出して理想的な共和国を築いた。人間を追い出して「ブタ」の指導の下で「動物主義」に基づく「動物農場」をつくりあげる。だが、偶発的に起こった革命によって指導者のブタが独裁者になる。
動物たちの仲間社会で安定を得た彼らだったが、不和や争いが絶えず、最後は理解できない混乱と恐怖に陥っていく。結果的に支配者が入れ替わっただけで、恐怖政治へ変貌して人間が支配していた時以上に抑圧的で過酷な農場となる。スペイン内戦に参戦した体験を持つ著者のオーウェルが、人間を動物に見立てることで、20世紀前半に台頭した全体主義やスターリン主義への痛烈な批判を寓話的に描いた物語だ。
朝鮮労働党とその「在日党」である朝総連の支配・抑圧構造がどうなるか、から「民衆」と「民族」の名で恣行された偽りと偽善と不正と暴力、搾取と虐殺の暴圧体制がどのように設計され運用されるかは、金氏王朝と朝総連が作られる前に、すでにジョージ・オーウェルが完全に批判・告発していたのだ。実際に金氏王朝の3代は、オーウェルが描いた豚の独裁者よりもはるかにひどい独裁者であり独裁体制だ。
金氏王朝やこの王朝の「首領たち」を仰ぐ朝総連は、この『動物農場』を実現したスターリンと毛沢東、そして50年間キューバを支配し、先週死んだカストロよりもひどい。スターリンも毛沢東もカストロも、自国民に「スターリン民族」「毛沢東民族」「カストロ民族」と呼ぶよう強要まではしていない。ところが平壤側は今、「金日成民族」と呼ぶように強いている。
「金日成民族」であることを受け入れ、「首領」を自分の親として認めなければ、北では生きられない。「人民共和国」でなく、『動物農場』だ。もちろん、『動物農場』を読んでいなくとも、多くの活動家が首領や朝総連に絶望した。そして抵抗し告発したが、抵抗勢力は『動物農場』が描いた方法ですべて除去された。
平壌側は、問題を提起する良心的な試みを無条件に「裏切り者」と罵倒し、国家情報院の手先と決めつけてきた。洗脳された在日同胞の群衆はそのような説明を受け入れた。朝総連の絶望的な部分だ。なぜ表立った物理的暴力もなく、このようなことが可能だったか。恐ろしいことだ。
朝総連の場合、抵抗者は当初、組織内でのみ小声で反抗し、やがて日本社会に向けて告発した。実に多くの告発があった。オーウェルの『動物農場』以上の実態が活字やいろいろな形で公開された。昨年、朝総連の東京商工会の行事でも元活動家の高忠義氏の訴えがあったが、反応は驚くほど少ないか、すぐ忘れられる。これは共産主義に寛大だった日本社会の風土と切り離しては考えられないことだ。日本社会は在日韓国・朝鮮人、特に朝総連系に対して意識的に冷淡に無視した。つとめて無関心であろうと努力してきたと見られる。
日本の中にも『動物農場』が存在することを告発しても、日本社会とは無関係なものと片付けられた。日本社会がようやく関心を持ったのは拉致問題のためだった。ところが1985年、「辛光洙・原敕晁事件」を通じて金正日の指令による組織的な日本人拉致とその証拠が明確に提示された後も、すぐ無視されてきた。13歳の少女・横田めぐみさんが拉致された事実が明らかになった後、日本の社会はようやく反応し始めた。
これは、日本社会が理念や価値よりも情緒で動く社会であることを物語る。近縁者のいない、取るに足らない人の失踪と、一家団欒の家族を持つ少女の失踪がこのように違うということは、よそ者や朝総連のような外国人の人権と価値は、日本人と違うと見なされてきたことを物語っている。(つづく)


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