朝総連衰亡史(19)

対南工作要員との談話で行われた金日成の秘密教示
日付: 2016年11月02日 22時25分

 労働党と朝総連の対南工作がどのように行われてきたのかを、平壌側が公開した資料を通じて見てみよう。1982年4月、平壌の祖国統一社名義で発行された『主体の旗のもとで進む南朝鮮人民の闘争』は、南韓社会の各種反政府騒乱を扱った、対南工作を総括・評価した資料だ。内容を額面どおり信じるわけにはいなないが、この資料は、対南工作員、そして国内外の従北勢力に、教養・学習教材として使われる。南労党の工作なども詳細に記されている。当然、朝総連の役割と活動や、その前衛隊である反国家団体(韓統連)などをどう指導してきたのかについても触れている。
この冊子の中に「維新独裁に反対し、祖国の自主的統一のための海外同胞たちの闘争」という項目がある。その内容のうち、「偉大な金日成同志は次のように教示された」という部分を引用する。
<日本、米国をはじめ海外で住んでいる朝鮮同胞たちも崇高な民族的使命感を持って南朝鮮社会の民主化と祖国の自主的平和統一のための正義の愛国闘争に積極的に乗り出しています。
(中略)統一への願いが熱くなるほど、海外同胞は軍事ファッショ独裁で、民主主義と祖国統一に対する南朝鮮人民たちの抵抗を弾圧し、民族分裂の永続化のため跋扈する傀儡徒党への民族的義憤を禁じ得なかった。
このことから、海外同胞は愛国的使命感を持って闘争の道に出るようになり、彼らの持った愛国的使命感に基づいて、南朝鮮社会の民主化と祖国の自主的統一のための南朝鮮出身の海外僑胞たちの海外僑胞運動が激しく行われるようになった。
売国的<韓日会談>に反対する南朝鮮人民の高揚した救国闘争に呼応して反朴闘争を公開的に展開し始めた海外僑胞たちの闘争は<10月維新>以降、朴政権打倒を前面に出した、より高い闘争段階へと発展した>(『主体思想の旗を高く掲げて社会主義建設をさらに急ごう』単行本26ページ以降)
と解説している。この工作について、金日成は直接、具体的な教示を下す。以下は1976年2月、対南工作要員たちとの談話で行った「金日成の秘密教示」だ。
<今、海外に出て住んでいる僑胞たちは、そのほとんどが事業をして失敗したか、それとも政治的な関係で逃避したか、とにかく南朝鮮で住むのが不便なため、故郷を捨てて出ている人々です。その中には権力闘争で押し出された政治家、元高官たちもおり、予備役将軍、実業家、信徒たちも多いが、一部の成功した人々を除いて、ほとんどの人々は居場所がなく、暮らしが苦しい状況緒の人々です。彼らはどれほど良い餌でしょうか。彼らに餌をよく投げれば、両腕を開きわれわれについてくるはずです。
海外僑胞たちの中で組織を結成するとき、北と連携されておらず僑胞たち自身で組織した組織のように名称をよく偽装せねばなりません。そうしてこそ、南朝鮮の情報網に筆禍からず、活発に動くことができます。そして、活動力があり天賦的な気質を持つ対象をよく訓練させて職業的革命家に育てなければなりません。海外僑胞たちは外国語にも堪能で、世界各国を自由に往来できるから、活動状態がどれほど有利でしょうか>
<日本では、1973年8月15日に「韓国民主回復統一促進国民会議の日本本部」(略称<韓民統日本本部>)が結成された。<韓民統>は、<朴独裁政権打倒、韓国民主化、祖国の自主統一>のスローガンの下、<民団>系僑胞たちが集結された闘争組織だ。日本には他にも<金大中救出対策委員会>(1973年8月)、<在日韓国人政治犯救援委員会>(1974年2月)、<在日韓国人拘束者連絡会>(1975年5月)、<金芝河救援を支援する会>(1975年末)、<祖国統一在日知識人談話会>(1974年7月)をはじめ、いろんな闘争団体が組織された。
(中略)一国の中で活動している僑胞団体ら間の連合共同闘争と国別の僑胞団体らの間の連合共同闘争が力強く発展した。1975年2月、傀儡徒党が維新独裁を延長するため国民投票を実施したき、日本で<韓民統日本本部>の7団体が国民投票に反対する大衆的共同集会を開き、また日本、米国、西ドイツなど7カ国の10余りの僑胞団体が国民投票に反対する共同声明と共同行動綱領を発表したのはその代表的な例だ>
金日成首領の教示は法だ。この教示を朝総連がどう実践したのかを見よう。         (つづく)


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