目を覚ませ 在日韓国人たち(4) 過去の戦略的勝利を自覚できず…

朝総連解体・朝総連同胞解放は民団の使命
日付: 2016年10月19日 00時00分

 韓半島の情勢が激しく揺れている。北韓が解放されて韓半島が自由民主主義体制で繁栄を続けるか、それとも核兵器を持つ全体主義が韓半島を支配することになるのか、間もなく最終決着がつく。妥協不可能な戦いはすでに始まっている。大韓民国の自由民主主義と市場経済の建国革命は、非西歐文明圏で最初に達成されたものだが、この革命は未完だ。北韓を解放してこそ完結する。北韓を解放しなければ大韓民国がなしえたことは意味を失う。

飢餓にあえぐ北韓の子どもたち。慢性的な貧困は、特に地方で深刻だ

 大韓民国の前途を阻む金氏王朝の「首領主義」と朝鮮労働党、そしてこれを支持・支援する勢力は、すべて大韓民国の敵、自由の敵、文明の敵だ。韓半島の外で首領主義・朝鮮労働党が存在するのは日本だけだ。少なからぬ在日同胞の意識の中に朝総連に対するコンプレックスがある。多くの民団幹部も例外でない。おかしなことだ。コンプレックスの塊を持つべき集団は、自由世界の中で3代世襲独裁を支持する朝総連でなければならない。
民団組織が朝総連に守勢的だった時代があった背景は、平壌や朝総連が捏造した「抗日武装闘争」という神話や偽りの扇動を中心とした、植民地の記憶や民族的恨みを刺激する「反日フレーム」に思考が圧倒され、あるいはそこから抜け出ていなかったためだ。
実は平壌や朝総連こそ大きなコンプレックスを持っている。朝総連が大韓民国と民団の真似をして、失敗した代表的な事例を挙げれば1979年から始めた「短期祖国訪問団」と1980年代の「朝・朝合営」がある。「墓参団事業」で崩れた朝総連の下部組織の崩壊を止めるために始まった「短期祖国訪問団」は、金日成王朝の凄惨な実状だけを浮き彫りにした。日本で富を成した民団有志たちが本国に投資して「九老工団」などを建設した事例をずっと後に模倣して強制的に施行した「朝・朝合営事業」は朝総連商工人の財産を吸い上げてあっけなく終わった。
歴史の流れは、大韓民国と本国の施策に呼応した民団が平壌側と朝総連に戦略的勝利を収めてきた。だが、これを自覚できなかった在日同胞たちは、朝総連の虚像に驚き圧倒されることが少なくなかった。さらに、民団組織が自らをあえて「生活者団体」と規定したことで、独裁に盲従する朝総連を制圧できず、自らのアイデンティティーを放棄する結果になる。
生きている人間はだれでも「生活者」だ。こんな用語をもって自らのアイデンティティーを表現するのは、一言で言えば精神的に未熟であり堕落している。NGO、NPOを宣言したほうがましだ。
「生活者団体」が不確実な未来、厳しい挑戦を克服できるだろうか。民団組織がすすんで歴史の「受け身姿勢」を取っていながら、今になって衰退と消滅を心配するとはおかしなことだ。
民団が自らを矮小化し、枝葉末節の問題にエネルギーを費やすから組織が揺れる。我執や名誉欲などで組織力が削がれ、傘下団体が分裂・対立して内外のひんしゅくを買っても、民団中央本部はこれを収拾できないのが実情だ。
彼らの名誉欲は本国からの勲章叙勲をめぐる雑音にも表れている。勲章をもらうために幹部らは争い、中には勲章のためお金を出して傘下団体長をする人もいるという。客観的な功績によって授与されるべき勲章を民団が毎年政府に要求するのはおかしいではないか。人間のすべての悪徳の中で最も悪いのは、悪や野蛮に立ち向かって戦わないことだ。悪や野蛮と戦わない者は、その味方か卑怯者だ。悪と戦わない体制は結局、悪に支配される。
多くの在日同胞を災難に陥れた「朝鮮労働党の在日党」(朝総連)と、組織力が今より弱いときも闘ってきた民団が、最後の決着が始まる今、大韓民国の敵、民団の敵との戦いに無関心などころか、避けようとさえしている。
民団の歴史でいかなる欠点と過ちがあったとしても、敵と戦って北韓同胞を解放することに献身すれば赦される。唯一、赦されないことがあるなら、それは金氏王朝や朝総連と戦わないことだ。
朝総連にはもう希望がない。朝総連組織は、自爆テロリストが無差別テロをするように、多くの同胞を巻き込んで無理心中しようとしている。悔恨と絶望、虚無だけが残ったほとんどの朝総連同胞も金氏王朝の犠牲者だ。民団は朝総連に騙されて生き地獄に行った北送同胞たちや奴隷状態の北韓同胞を見捨てて卑怯者になるのか。
自らの運命に無関心な人々が自主・独立の自由民主主義体制を守ることは不可能だ。そして、在日同胞は日本と本国との間の懸け橋の役割をするつもりはあるのか。
つまるところ、大韓民国の友人はわれわれが北韓を解放するとき、われわれを支持し助けてくれる国だ。解放に反対し、妨害する者は敵だ。民団には韓国と日本をよき友人同士にするという役割が期待されている。民団はこの責務を自覚しているだろうか。


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