韓日米の合同参謀議長が14日(現地時間)、米国防総省で会合した。3者は、米国の核戦力とミサイル防衛システムを中心にして北韓の核・ミサイルに対応することなどを確認した。韓米は15日まで韓国の全海域で連合演習を行っていたが、北韓はその最終日にミサイル発射実験を行った。発射は失敗したとみられるが、北韓の危険性は変わっていない。実験の前には米高官が「(金正恩は)直ちに死ぬ」と明言するなど、米国も北韓に厳しい姿勢で臨んでいる。
韓日米に加え英国も
韓日米の合同参謀議長が集まったのは2014年7月に次いで2回目だ。前回も北韓の核問題について協議したが、今は当時とは比べ物にならないほど韓半島情勢は揺らいでいる。
会合には李淳鎮合同参謀本部議長、河野克俊統合幕僚長、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長らが出席。今年に入って2回目となる北韓の第5次核実験と、相次ぐ長距離ミサイル発射について、明白な国連安保理決議違反であることや、相互に協力しながら強力な対応をしていくことを確認した。
ダンフォード議長は、韓日を守り、従来の核・ミサイル防衛能力を含む米国のあらゆる領域の軍事能力を動員して拡大した抑制力提供を保証するという考えを示した。米国はあくまでも米国の核の傘で北の挑発に対応するという立場だが、韓国の世論は独自の核武装論が過半数だ。
平壌側は合同参謀議長の会合翌日の15日、北西部の内陸である平安北道亀城市からミサイルを1発発射した。韓国軍合同参謀本部によると、ミサイルは北韓が開発を急ぐ中距離弾道ミサイル・ムスダンとみられるが、発射直後に爆発したという。ムスダンミサイルは7回試射されて、成功したのは1回だが、ICBMの開発のための技術的なテストの可能性もあって注目されている。今回は韓米両軍が展開する東海岸を避けて西側の内陸から発射しており、奇襲発射能力の高さは警戒すべきレベルにあるといえる。
韓半島情勢の緊張を反映して、米朝間では激しい言葉の応酬があった。
ダニエル・ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は12日(現地時間)、「核攻撃を遂行する能力はおそらく高まるだろうが、そうなれば(金正恩は)直ちに死ぬ」と発言。これに対して北韓は15日、外務省報道官声明で「米国がわれわれを攻撃する瞬間、ホワイトハウスが先になくなる」と反発した。
10月から11月にかけて日本の三沢基地を拠点に自衛隊と合同演習を行う英空軍が、来月上旬に韓国で行われる軍事演習に参加する。初の韓米英合同演習だ。韓米英3カ国の空軍訓練は異例で、今回英国から参加する「ユーロファイター タイフーン」は英空軍の主力戦闘機。同機は韓国軍が緊急調達中の射程500キロの長距離空対地ミサイル「タウルス」の運用が可能だ。