米国で、警官による黒人男性射殺に対する抗議行動が激しさを増している。この数カ月で大きく報じられているものだけを挙げても、ルイジアナ州、ミネソタ州、オクラホマ州、そしてノースカロライナ州で事件が発生している。抗議行動は州をまたいで全米各地で起き、一部地域では夜間の外出禁止措置がとられるまでになった▼こうした事件で問われるのが、被害者が銃を持っていたか否かだ。ルイジアナ州とミネソタ州の被害者は、銃で攻撃しようという姿勢はとっておらず、オクラホマ州の事件では、両手を挙げて武器を持っていなかった男性に警官が発砲する様子が映像として残っている。ノースカロライナ州の事件では、銃を持っていたか否かで警察と遺族の主張は対立している▼拳銃の所持が基本的に認められていない日本に住んでいると、米国での銃の扱われ方にたびたび驚かされる。一般人が銃を乱射する事件があったと思えば、「もう少し判断を待ってもいいだろうに」というタイミングで警官が「被疑者」に向けて引き金を引く▼国という単位で見た場合もそうだろう。米国は対北先制攻撃も辞さないといわれているが、見切りをつけるタイミングは想像以上に早いかもしれない。すでに北韓は核兵器を米国まで飛ばせると息巻いている。言うなれば、拳銃を片手に威嚇をしている段階だ▼金正恩が挑発行為を止めなければ、誰もが望まぬ米国の先制攻撃はありうる。米国が「そういう国」であることは、よく知っているはずだ。