朝鮮中央通信は24日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中試験発射に成功したと報じた。実験には金正恩も立ち会ったという。韓国軍などは前日の23日、東海(日本海)でミサイル1発の発射があったことを補足しており、報道はこの実験を指すと思われる。
北韓はSLBMの発射を成功と報じた。だが韓国合同参謀本部は失敗とみている。今回発射されたKN‐11は射程距離が300キロメートル以上とされるが、飛行距離が30キロメートル足らずだったのが根拠だ。ただ、北韓側が意図的に爆破した可能性もあり、実験の成否は不明だ。
SLBMは事前の発射探知が困難で、韓国だけでなく、日本にも脅威となる兵器だ。韓国のキルチェーンは無力化し、対応には対潜戦力の強化が必要だ。
北韓は現在、核弾頭の小型化と破壊力の強化を並行しているが、運搬方法の改善や多様化にも力を入れている。実際に金正恩は3月、「追加の核実験と地上・海上・空中・水中核攻撃戦力の強化」を指示している。
韓国国防部は、SLBMの戦力化には「3、4年かかる」と分析している。しかし一部の専門家は、SLBM発射実験は核兵器完成の最後の段階だと指摘する遅くとも2年以内に核弾頭のSLBM搭載は可能になるとの見方もある。
北韓は核実験の準備も進めているとみられる。5月の党大会に向けて軍事面での成果を強調したい北が、今後も追加の実験を行う可能性は決して低くない。