韓国国防部の代弁人は11日、北韓の偵察総局の現役大佐が韓国に亡命したことを確認した。偵察総局は、金正恩体制のスタートとともに発足した対南工作機関であり、軍が統括している。そのため同局の大佐は、金正恩体制の対南挑発計画を知る立場にある。これまで帰順が明らかになった北の現役将校としては最高位級だ。
昨年の4月、偵察総局局長の金英徹が、大将から中将に2階級降格された。この処分が、今回帰順した大佐と関係があったのではないかと見られる。だが金英徹はその後、大将に復帰。金養建が死亡した後には党の統一戦線部部長職を引き継ぎ、党の対南秘書も兼任している。
軍が対南工作を指揮するようになったのは、第2の南侵を謀った1960年代の「対南事業総局」以来のことだ。そのため韓国としては、高度の警戒が求められていた。
帰順した偵察総局大佐は、韓国側の聴取に対して対南工作の方法などを供述しているという。黄長燁・元朝鮮労働党書記(2010年韓国で死去)は亡命後、たびたび公の場で北の体制批判を行ってきたが、元大佐が今後どのような活動をするかは不明だ。