瞻星臺=編集余話

日付: 2016年02月24日 00時00分

 「日本の『韓国専門家』といわれている人でも、本当の韓国の姿を知らないのでは…」。「韓国専門家」と意見を交わすことが多い、ある韓国の知識人が嘆くようにいった。同じような指摘は、知日派韓国人からよく聞かれる▼19日付の産経新聞に、小さな記事ではあるが福岡で行われた懇話会の記事が載った。講師は古田博司氏。韓国留学経験も持つ、大学院教授である▼講演のタイトルは「危うい韓国と非韓三原則」。同氏は韓国に「教えず、助けず、かかわらず」という三原則を提唱している。記事によると古田氏は南北を比較し、「地理的に安定的で核保有国となった北朝鮮より、本当に危険なのは韓国だ」と述べたという▼古田氏はその根拠の一例として、産経新聞前ソウル支局長の在宅起訴を挙げたという。韓国の法治主義は崩壊しているということだ。かといって韓国の方が北より危険というのはどのような了見だろうか▼「韓国は反日」というのもよく聞くフレーズだ。だが、昨年1年間で延べ400万人の韓国人が日本を訪れたことをどう捉えよう。訪韓日本人は、ピーク時で約350万人(2012年)。日本の半分以下の人口の韓国から、過去最多の訪問者が来日したのだ▼時事通信が11~14日に行った世論調査によると、「嫌いな国」(複数回答可)で韓国を選んだ人は38・6%だった。決して低い数字ではないが、この数年で初めて30%台になったという。両国は互いに重要なパートナーだ。「専門家」にはぜひその基本を忘れないでほしい。


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