開城が韓半島史で初めてスポットライトを浴びたのは、10世紀前半に初代高麗王・王建が同地を首都と定めた時だろう。松が美しい都で「松都」とも呼ばれていたという。14世紀末に朝鮮王朝が興り、都が現在のソウルに移ってからも、開城は商都として栄えた▼その開城に、韓国資本が進出したのが04年。金大中政権の「太陽政策」の象徴となる開城工団であった。操業開始当時は南北和解の突破口になると期待もされた。しかし、それはほどなく裏切られる▼北は開城で得た収入で核やミサイル開発を行った。それも1回や2回ではない。それでも金大中・盧武鉉・李明博・朴槿惠と続いた4人の大統領は、開城工団を維持してきた。北側が韓米合同軍事訓練を理由に韓国人職員を追い出した時も、折れたのは韓国側だった▼しかし今回のミサイル発射を受け、ついに開城工団は閉鎖となった。ようやく、といっていいだろう。韓国は対北基本政策を転換する時期に差し掛かっている。北の資金源を断ち、国内外に向けて明確に態度表明をする意味でも、開城閉鎖はやむを得ないことだ▼韓国国内では、より強硬な主張も出ている。韓国も自衛のために核武装すべきというのがその代表だ。実現させるかどうかは別として、それを主張するだけで国際社会に対するメッセージになる▼その前段階として、韓国がNPT(核不拡散条約)からの脱退を宣言すべきという意見もある。いつも韓国は、北に振り回されるだけだった。そろそろ北を振り回す側に回ってもいい。