大韓民国の生存は誰が護るのか、政府か国民か

日付: 2016年02月03日 01時35分

 休戦状態の大韓民国の主敵が「水爆実験成功」を発表して1カ月が経つ。韓国政府の姿勢を見ると、この国に国家指導部が存在するか疑わざるをえない。北の核実験は公開されただけでも4回、核兵器の小型化、つまり核ミサイルの実戦配備段階に達したと専門家らは警告する。北側は核ミサイルの潜水艦搭載も進めている。
 国民は、未曾有の安保危機に直面し、大きな不安と挫折感を感じている。われわれの生存と繁栄が持続されるのか、確信が持てない。われわれを憤怒させるのは、暴挙に走る狂気の金正恩だけでなく、国民の生命と自由と幸福を守る意志と行動を示さない韓国政府と政界の姿勢だ。
 大韓民国は国家安保や北核問題を、国際社会の良識と善意にのみ期待してきた。対北糾弾や制裁を訴えるのが主だった。これが交戦相手の核の威脅にさらされた主権国家の姿勢だろうか。
 今回も政府は、国民の生命を保護する実際的覚悟と自衛の措置でなく、空虚な「5カ国会談」や「中国の役割」、「安保理の制裁決議」などにすがっている。中国は朴槿惠大統領の提案を言下に拒否した。それでも朴大統領は、国民の生命と国家の生存を習近平や金正恩の善意に任せるのだろうか。国民は侮辱されたと感じている。大統領は国民に率直に説明すべきだ。
 朴大統領はセウォル号沈没事故の際、海洋警察が迅速な救助に失敗したと断定し、「第2の海軍」ともいわれる海警の解体を即座に決断した。朴大統領は主敵の核ミサイルが実戦配備されたというのに、なぜ何の決断もしないのか。例えばNPT脱退を宣言するなどして、国際社会に決意を見せつけよう。
 政界・国会は、単純な海難事故でさえ真相究明のための特別法を作った。そして司法制度を無視し、セウォル号事件真相調査委員会を存続させている。事故はすでに裁判所で判決が下された。国会と真相調査委員会は、裁判所の判決が間違ったと思っているのか。あるいは裁判で事故の真相は究明されなかったと考えているのか。
 大統領と国会は、自国が核攻撃にさらされている現状が、海難事故より重要でないと思っているのか。大統領と国会、そして大韓民国は、北側の核ミサイルが実戦配備に至ったことに対しては、国家的調査と挙国的対応が急務でないと捉えているのか。大統領と国会、大韓民国の国民は、主敵の核武装を助けた者を突き止め、処断すべきと思わないのだろうか。
 政府にただしたい。事態の深刻さがわかっていないから対策を講じていないのか。それともどうすればいいかがわからないのか。国に絶体絶命の危機を招いた”反逆者”が誰だか知りつつ対策を取らないのは、その共犯になるということだ。
 決断すべきときに決断しない指導者は要らない。決断を放棄する指導者は、その地位にとどまってはならない。大統領は就任のとき、憲法によって、憲法の遵守と国家保衛を宣誓した。大統領はその責務を放棄するのか。
 国民は些細な法違反でも処罰される、しかし現国会は、常習的に法律を犯してきた。何の牽制装置もなかった。国民は、法律に違反する憲法機関をこれ以上容認してはならない。無能で無責任な「国会独裁」は弾劾されるべきだ。
 110年前、大韓帝国の民は皇帝と朝廷ばかり見ていて植民地の民に転落した。今の政府、特に国会の姿勢は当時を彷彿させる。従北勢力に振り回される政府と政界は、この瞬間も、韓国最高の安保資産である韓米同盟よりも、韓米同盟の敵に安保を期待するような姿勢を捨てていない。
 国民の生命と国家の生存を護ろうとしない政府と政治を信じるわけにはいかない。政府が決断しないなら、国民自身が自らの生存と幸福のため決断せねばならない。


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