22日、青瓦台で開催された政府の外交安保省庁の業務報告会。外交部、国防部、統一部が定めた今年度の最優先課題は、ともに北核問題の解決だった。この報告会で、朴槿惠大統領は6カ国協議の実効性に疑問を呈した。
「北韓を除く5カ国協議を試みるなど、多様で創造的な方法を探す必要がある」
大統領が「6カ国協議無用論」を公の場で提起するのは初めてだ。
大統領府は書面で「6カ国協議の枠組みのうち、5カ国の共助を強化して最大限対北圧迫を強化していきたい」との立場を明らかにし、朴大統領の提言が既存の6カ国協議の廃止や代替を意図したものではないと説明。5カ国が協力して北韓問題に対する合意を引き出した後、6カ国協議を進めようという意図だと分析される。中国が北韓を擁護できないように、5カ国協議を強調したという主張も出ている。
外交部の尹炳世長官は同日の年頭記者会見で、「5カ国協議が実現されれば、北韓に対して非常に実質的、象徴的、かつ強力なメッセージになるだろう」と期待感を表明した。
ただ、実質的な圧迫にはならないとの反論も提起されている。中国も朴大統領の発言直後、外務省の会見で「6カ国協議を再開する必要がある」という既存の原則を再確認した。
昨年7月、国連常任理事国にドイツを加えた6カ国は、イランにウラン濃縮の停止や核査察受け入れを約束させた。そのかわりに以前から続けてきた経済制裁を解除するとの方針を明らかにした。この方式を北にも適用しようとの主張がある。ただ、それに対する反論は少なくない。
匿名を求めたある北韓専門家は「一度も核実験をできなかったイランと4回も核実験を敢行した北韓の状況は雲泥の差」と述べ、イラン方式は北に通じないと分析した。90年代初め、金日成時代に始まった北韓の核開発は、金正日、金正恩の3代世襲を経て、今や技術の高度化や小型化の段階に進んでいる。
一方、韓国国民の半分以上は、韓国も核武装しなければならないという考えを持っていることがわかった。韓国ギャラップが今月12~14日、全国の成人男女1005人を対象にしたアンケート調査で、核保有に賛成が54%、反対は38%と集計された。賛成票は2013年2月、北韓が3回目の核実験を行った時より10ポイント上昇している。核武装を着々と進める北に対する実効的な圧迫手段が必要だという声は高まっている。それが反映されたものだといえる。(ソウル=李民晧)